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episode.24 心に降り続く
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ノワールが負ったダメージをある程度軽減してから、宿へ戻ることになった。
彼は幸い足には傷を負っていなかった。そのため歩くことに関してはそれほど問題はないようだ。見た感じも違和感なく歩けている。微かに緑がかった暗いグレーの髪が風になびくたび、見ていて哀愁を感じた。
その道中、私たちはあまり言葉を交わさなかった。
――否、交わせなかった、の方が相応しい表現かもしれない。
いずれにせよ、あまり多くの言葉を発さなかった。私はもちろん、ルナも、ノワールも。
それゆえ空気は雨が降り出す前の空のように重苦しくて。
その空気が余計に発する言葉を減らしているかのようにも感じられた。
やがて宿が見えてきた。
入り口のすぐ近くには何やら話しながらほうきで掃除をしているアオイとトニカの姿。
距離があっても分かるほど仲睦まじげだ。
真実を知ったからか二人の距離は以前より圧倒的に縮んでいる、そんな風に見える。
「……ぁ」
「ん? トニカちゃん? って、あー! 皆さんー! びっくりしましたわ、急におらんくなってはったから」
そうだ、きちんと伝えてから出発とはいかなかったのだ。
きっと客室が急に無人になっていて驚いたことだろう。
「すみません」
「あーいやいや! いいんですよ! でもどうしたんです? 急に外出なんて珍しいですね」
「……少し、用があったので」
「そうですかぁ。でも良かった! 魔の者に誘拐されたとかやったらどうしよー思て!」
小さく心臓が跳ねた。それはアオイの発言があながち的外れでもなかったから。とはいえ正解というわけでもない。私たちは皆己の意思で動いていた、誘拐されたわけではないから。
そして戻る、懐かしい客室へ。
衣服を清潔なものに変えてから、ベッドに座る。
慣れた空間の空気を吸った途端、蘇る――ゼツボーノが言っていた言葉が。
そうだ、両親はもう……。
生きていない。
いや、それどころか、もっと最低な形。
魔の者になった。それが事実かどうかを確認するすべはないけれど。しかしもしそれが事実なのだとしたら、もしかしたらこれから二人は罪を重ねてゆくかもしれないということで。
「……ねぇ、ソレア」
思考の海に浸っていたから気づかなかったが、いつの間にかノワールが目の前に立っていた。
「気の毒だけどもう……ゼツボーノには関わらない方がいいよ」
「え、ええ、そうね危険だわ」
「……すべて明らかになった、親を探しにいく理由もなくなったでしょ」
その言葉に、思わず面を下げてしまう。
「……ええ。父も母ももう取り戻せないものね」
馬鹿だった、私は。
今になってそう分かった。
私はただ愚かな夢をみていただけ。
あるはずもない希望に縋りついて。
本当は分かっていたのかもしれない。そんなこと、とうに。でも目を逸らしてきた。いつか、いつかはきっと、意味もなくそう繰り返して。
「もう、無駄なことはやめるわ」
そう口にした瞬間、目もとに熱いものが込み上げた。
胸の奥から震えるような、そんな感覚。
悲しみが溢れ出す。
そして、すべて終わった後の切なさのようなものも。
いくつもの感情が同時に湧き上がり、それらは理性で制御などできはしない。
だから寝ることにした。
それしかない気がしたから。
「……ごめんなさい、ちょっと寝るわ」
「ソレア……」
「放っておいて。少し一人になりたいの」
それに、みっともない泣き顔を晒したくなかった。
掛け布団の中に潜り込んで、なら、いくらでも泣ける。ティッシュさえ傍に置いておけば、情けないところを見せずに好きなだけ涙を流せる。今はそれだけが私の望みだった。
◆
あれからどのくらい時が経ったのだろう。
泣いていてはそれすらも分からない。
お腹もさほど空かないこの状態では、時間という感覚を失ってしまいそうだ。
「……ソレア、アイスクリーム貰ってきた、食べよ」
布団越しにノワールの少し寂しそうな声が聞こえた。
「お腹、空かない?」
声が近づいてくる。
「好きだったよね、アイスクリーム。白とピンク、ソレア前そんなの食べてたなって思って、一応両方貰ってきたんだけど……」
「要らないわ」
「……そう。でも、食べなきゃ駄目だよ、キミは人間なんだから……」
「いいの……私はこのまま放っておいて」
だって、私はきっと凄くみっともない顔をしている。
こんな顔を晒すなんて嫌だし怖い。
――刹那、急に掛け布団を剥ぎ取られた。
視界が一気に闇から光へ変わる。
「ちょっとアンタねぇ! ノワ様が貰ってきたものを食べないってどういうことよ!」
布団を剥ぎ取ったのはルナだった。
「いつまでうじうじしてる気!? ノワ様に心労までかけるのはやめて!」
「ちょ、ルナ……」
「ノワ様はずっと心配なさってるのよ!? アンタみたいなやつのことでも!! なのにアンタはずっと引きこもって、何なのよそれ!!」
掴みかかる勢いで迫ってくるルナ、しかしノワールが制止する。
「ルナ! 無理矢理しちゃ駄目!」
「でもぉ~、こいつぅ、ノワ様がお優しいのを良いことにいつまでも引きこもってぇ~」
「ソレアは悲しんでるんだよ?」
「アタシだってぇ~、ノワ様が凄くお辛そうで辛いですよぉ~?」
「ああもういいからそういうの」
二人は謎茶番を披露してくれる。
「ま、とにかく! さっさと元気になりなさいよ!」
ルナはそう言うと素早く二つのカップに入ったアイスを持ってきて差し出してくる。
「さぁどっち?」
「……ルナさん」
「早く選びなさいよ」
ベッドの上に座っている私と、背筋がぴんと伸びた姿勢で立っているルナ。向かい合えば、彼女の位置の方が少し高い。それゆえ見下されているような目つきにも感じるのだけれど、でも、その瞳からは優しさのようなものも感じ取れる。
「え、あの、今は……」
「余計なことは言わなくていいの!」
「でも……」
「ならアタシが先に選ぶわよ!?」
直後、ルナは片方を押し出すかのように差し出してくる。
「アンタが白! いいわね!」
強制的に受け取らされてしまった。
「アタシがピンクね」
「……ちょっと、ルナも食べるわけ?」
「あぁん、ノワ様! 一緒にどうですぅっ!? 二人で幸せなアイスタイムをぉ」
「いや、それはやめとく」
「……残念ですわぁ~」
彼は幸い足には傷を負っていなかった。そのため歩くことに関してはそれほど問題はないようだ。見た感じも違和感なく歩けている。微かに緑がかった暗いグレーの髪が風になびくたび、見ていて哀愁を感じた。
その道中、私たちはあまり言葉を交わさなかった。
――否、交わせなかった、の方が相応しい表現かもしれない。
いずれにせよ、あまり多くの言葉を発さなかった。私はもちろん、ルナも、ノワールも。
それゆえ空気は雨が降り出す前の空のように重苦しくて。
その空気が余計に発する言葉を減らしているかのようにも感じられた。
やがて宿が見えてきた。
入り口のすぐ近くには何やら話しながらほうきで掃除をしているアオイとトニカの姿。
距離があっても分かるほど仲睦まじげだ。
真実を知ったからか二人の距離は以前より圧倒的に縮んでいる、そんな風に見える。
「……ぁ」
「ん? トニカちゃん? って、あー! 皆さんー! びっくりしましたわ、急におらんくなってはったから」
そうだ、きちんと伝えてから出発とはいかなかったのだ。
きっと客室が急に無人になっていて驚いたことだろう。
「すみません」
「あーいやいや! いいんですよ! でもどうしたんです? 急に外出なんて珍しいですね」
「……少し、用があったので」
「そうですかぁ。でも良かった! 魔の者に誘拐されたとかやったらどうしよー思て!」
小さく心臓が跳ねた。それはアオイの発言があながち的外れでもなかったから。とはいえ正解というわけでもない。私たちは皆己の意思で動いていた、誘拐されたわけではないから。
そして戻る、懐かしい客室へ。
衣服を清潔なものに変えてから、ベッドに座る。
慣れた空間の空気を吸った途端、蘇る――ゼツボーノが言っていた言葉が。
そうだ、両親はもう……。
生きていない。
いや、それどころか、もっと最低な形。
魔の者になった。それが事実かどうかを確認するすべはないけれど。しかしもしそれが事実なのだとしたら、もしかしたらこれから二人は罪を重ねてゆくかもしれないということで。
「……ねぇ、ソレア」
思考の海に浸っていたから気づかなかったが、いつの間にかノワールが目の前に立っていた。
「気の毒だけどもう……ゼツボーノには関わらない方がいいよ」
「え、ええ、そうね危険だわ」
「……すべて明らかになった、親を探しにいく理由もなくなったでしょ」
その言葉に、思わず面を下げてしまう。
「……ええ。父も母ももう取り戻せないものね」
馬鹿だった、私は。
今になってそう分かった。
私はただ愚かな夢をみていただけ。
あるはずもない希望に縋りついて。
本当は分かっていたのかもしれない。そんなこと、とうに。でも目を逸らしてきた。いつか、いつかはきっと、意味もなくそう繰り返して。
「もう、無駄なことはやめるわ」
そう口にした瞬間、目もとに熱いものが込み上げた。
胸の奥から震えるような、そんな感覚。
悲しみが溢れ出す。
そして、すべて終わった後の切なさのようなものも。
いくつもの感情が同時に湧き上がり、それらは理性で制御などできはしない。
だから寝ることにした。
それしかない気がしたから。
「……ごめんなさい、ちょっと寝るわ」
「ソレア……」
「放っておいて。少し一人になりたいの」
それに、みっともない泣き顔を晒したくなかった。
掛け布団の中に潜り込んで、なら、いくらでも泣ける。ティッシュさえ傍に置いておけば、情けないところを見せずに好きなだけ涙を流せる。今はそれだけが私の望みだった。
◆
あれからどのくらい時が経ったのだろう。
泣いていてはそれすらも分からない。
お腹もさほど空かないこの状態では、時間という感覚を失ってしまいそうだ。
「……ソレア、アイスクリーム貰ってきた、食べよ」
布団越しにノワールの少し寂しそうな声が聞こえた。
「お腹、空かない?」
声が近づいてくる。
「好きだったよね、アイスクリーム。白とピンク、ソレア前そんなの食べてたなって思って、一応両方貰ってきたんだけど……」
「要らないわ」
「……そう。でも、食べなきゃ駄目だよ、キミは人間なんだから……」
「いいの……私はこのまま放っておいて」
だって、私はきっと凄くみっともない顔をしている。
こんな顔を晒すなんて嫌だし怖い。
――刹那、急に掛け布団を剥ぎ取られた。
視界が一気に闇から光へ変わる。
「ちょっとアンタねぇ! ノワ様が貰ってきたものを食べないってどういうことよ!」
布団を剥ぎ取ったのはルナだった。
「いつまでうじうじしてる気!? ノワ様に心労までかけるのはやめて!」
「ちょ、ルナ……」
「ノワ様はずっと心配なさってるのよ!? アンタみたいなやつのことでも!! なのにアンタはずっと引きこもって、何なのよそれ!!」
掴みかかる勢いで迫ってくるルナ、しかしノワールが制止する。
「ルナ! 無理矢理しちゃ駄目!」
「でもぉ~、こいつぅ、ノワ様がお優しいのを良いことにいつまでも引きこもってぇ~」
「ソレアは悲しんでるんだよ?」
「アタシだってぇ~、ノワ様が凄くお辛そうで辛いですよぉ~?」
「ああもういいからそういうの」
二人は謎茶番を披露してくれる。
「ま、とにかく! さっさと元気になりなさいよ!」
ルナはそう言うと素早く二つのカップに入ったアイスを持ってきて差し出してくる。
「さぁどっち?」
「……ルナさん」
「早く選びなさいよ」
ベッドの上に座っている私と、背筋がぴんと伸びた姿勢で立っているルナ。向かい合えば、彼女の位置の方が少し高い。それゆえ見下されているような目つきにも感じるのだけれど、でも、その瞳からは優しさのようなものも感じ取れる。
「え、あの、今は……」
「余計なことは言わなくていいの!」
「でも……」
「ならアタシが先に選ぶわよ!?」
直後、ルナは片方を押し出すかのように差し出してくる。
「アンタが白! いいわね!」
強制的に受け取らされてしまった。
「アタシがピンクね」
「……ちょっと、ルナも食べるわけ?」
「あぁん、ノワ様! 一緒にどうですぅっ!? 二人で幸せなアイスタイムをぉ」
「いや、それはやめとく」
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