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1話
しおりを挟む私と夫ウィルクスは共に高級宿で働いている。
というのも、そもそも出会ったのが仕事場だったのだ。
職場で親しくなって結婚した。
よくある話。
私たちもまたそういうありふれた始まりから生まれた夫婦なのである。
だが最近、ウィルクスの様子がおかしい。
私と話している時いつも上の空で、恋する乙女みたいな目をしていることも多く、たまに何もないところで宙を見つめてにやけていたりもする。
以前はそんなことはなかった。
なので、何だか変だなぁ、と思っていたのだが――。
「今夜どこの宿泊所にしますかぁ?」
「ああええと……北町のところとかはどう?」
ある晩、仕事終わりに、目撃してしまった。
ウィルクスが知らない女性と会っているところを。
「良いですね! あそこ! 素敵ですぅ」
「確かイルミネーションが綺麗だとか」
そういえば最近「ちょっと残業があるから先帰っていて」と言われることが増えていたのだが――そういうことだったのか。
「ええっ、そうなんですかぁ! わたし、そういうの大好きでぇ、嬉しいですぅ!」
「料金は僕が持つから」
「やったぁ!」
「料理も注文していいよ」
「はぁ~い」
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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