職場結婚だった私たち、夫の不倫で別れることになりました。~そして彼は居場所を失う~

四季

文字の大きさ
2 / 3

2話

しおりを挟む

 ◆


「ただいま~」
「お帰りなさい」

 夜遅く、ウィルクスはいつもと変わらない様子で二人の家へ帰ってきた。

「ウィルクス、ちょっといい?」
「ん? 何?」
「今日さ、帰り、女性と会っていたでしょう」
「え」

 一瞬顔が強張った。
 すぐに笑みを取り戻したけれど。

 彼、どうやら、心当たりがあるらしい。

「あ、ああ、彼女は……勘違いしないで、ただの友人だよ。偶然出会ってさ、少しだけ喋ってたんだ」
「でも宿泊所に行ったのでしょう? それって友人と言えるのかしら」
「そんなことしてないよ!」
「私聞いたのよ、喋っているのを」
「そ、そうなの……? でも、勘違いだよ! そんな感じじゃなかったでしょ!?」

 ウィルクスは慌てているようだ。

「残念ながら、そんな感じに見えたわ」

 ここははっきり言わせてもらう。

「最近様子がおかしいと思っていたけれど……そういうことだったのね」

 そこまで言うと。

「し、仕方ないだろ! 僕だってたまには癒やされたいんだから!」

 急にキレ始めた。

「仕事に家庭にで疲れてるんだ! ちょっとくらいいいじゃないか、安らぎをよそで求めたって! べつに子ども作るわけじゃないし! ちょっと遊ぶだけだし!」

 もはやこれまでか。

「いいわ、じゃあ、離婚としましょう」
「えっ」
「離婚する、と言っているの」
「な、何で!?」
「癒やしを求めたいくらい家庭が嫌なのでしょう? なら終わらせてあげる。貴方だってその方が良いのでしょう」
「ち、ちちち、違うよ! それは違う!」
「もう遅いわ」
「待って! 違うよ! 違うんだ! そういう意味じゃないっ」

 急に慌て出すウィルクス。
 どうやら離婚は嫌みたいだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ある国の王の後悔

黒木メイ
恋愛
ある国の王は後悔していた。 私は彼女を最後まで信じきれなかった。私は彼女を守れなかった。 小説家になろうに過去(2018)投稿した短編。 カクヨムにも掲載中。

不実なあなたに感謝を

黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。 ※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。 ※曖昧設定。 ※一旦完結。 ※性描写は匂わせ程度。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

愛してないから、離婚しましょう 〜悪役令嬢の私が大嫌いとのことです〜

あさとよる
恋愛
親の命令で決められた結婚相手は、私のことが大嫌いだと豪語した美丈夫。勤め先が一緒の私達だけど、結婚したことを秘密にされ、以前よりも職場での当たりが増し、自宅では空気扱い。寝屋を共に過ごすことは皆無。そんな形式上だけの結婚なら、私は喜んで離婚してさしあげます。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...