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前編
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「貴女、オーレイ様の婚約者?」
ある日突然女がやって来て尋ねてきた。
「あ、はい。そうです」
「じゃあ貴女身を引いて」
「え……」
「何よその顔! 感じ悪いわね!」
気の強そうな女だった。
目つきも鋭い。
「いい? オーレイ様が愛しているのはあたしなの。貴女じゃないのよ」
「はぁ……」
「だから貴女は婚約を辞退しなさい」
「それは無理です」
「はぁ? えっらそうに! 生意気言ってんじゃないわよ」
その時になって気づいた。
彼女が何者であるかに。
「もしかして、オーレイの浮気相手ですか?」
言えば、彼女は苛立ったように口角を下げる。
「このあたしを見下すなんて! 生意気! 絶対許さないわっ」
女は毒を吐きながら逃げるように去っていった。
その数日後、私は賊に襲われた。しかしその時たまたま兄が居合わせていて。かつて最強の剣士とまで言われていた兄によって賊は退治された。そして、いけどりにした賊の一人から「自分たちはオブベルという女性から殺すよう依頼された」という証言を引き出すこともできた。そうして色々調べていったところ、賊による襲撃はあの女が依頼したものであると判明。どうやら彼女はオーレイを手に入れたいがために婚約者である私を消そうとしたようなのである。
ある日突然女がやって来て尋ねてきた。
「あ、はい。そうです」
「じゃあ貴女身を引いて」
「え……」
「何よその顔! 感じ悪いわね!」
気の強そうな女だった。
目つきも鋭い。
「いい? オーレイ様が愛しているのはあたしなの。貴女じゃないのよ」
「はぁ……」
「だから貴女は婚約を辞退しなさい」
「それは無理です」
「はぁ? えっらそうに! 生意気言ってんじゃないわよ」
その時になって気づいた。
彼女が何者であるかに。
「もしかして、オーレイの浮気相手ですか?」
言えば、彼女は苛立ったように口角を下げる。
「このあたしを見下すなんて! 生意気! 絶対許さないわっ」
女は毒を吐きながら逃げるように去っていった。
その数日後、私は賊に襲われた。しかしその時たまたま兄が居合わせていて。かつて最強の剣士とまで言われていた兄によって賊は退治された。そして、いけどりにした賊の一人から「自分たちはオブベルという女性から殺すよう依頼された」という証言を引き出すこともできた。そうして色々調べていったところ、賊による襲撃はあの女が依頼したものであると判明。どうやら彼女はオーレイを手に入れたいがために婚約者である私を消そうとしたようなのである。
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