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とてつもなく寒い冬のある日……?~幸せになれて良かったです~
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数分外にいるだけで凍えて死んでしまいそうなほどに寒い冬のある日、婚約者である彼リマージョス・ティヴォンが私の家へやって来た。
「お前との婚約だが、破棄とすることとした」
リマージョスは苦々しげな顔をしながらそんなことを言ってくる。
「え」
「分かったか? 婚約は破棄、そういうことだ」
「……本気で仰っているのですか?」
「ああもちろん」
わざわざ言ってくる、ということは、そういうことだろう。それは私も理解している。私とは馬鹿ではない。彼の心が決まっていることを理解できないほど愚かではない。
「ではそういうことなので、俺はこれにて失礼する」
「そうですね……今までありがとうございました、さようなら」
リマージョスはそそくさと出ていく。
――そして帰り道猛吹雪に見舞われ落命してしまった。
まさか彼がそんな命を落とし方をするなんて。想定していなかったのでその件を耳にした時はかなり驚いた。けれども婚約破棄は既に決まっていたので大きな影響はなく。最も自然な形で、私と彼の縁は切れた。ある意味、あれ以上話がややこしくならなくて良かった、といった感じだろう。なんにせよ、感じの悪い彼と言葉を交わさなくて済んだことは幸運なことだった。
私の未来はリマージョスとのものなのだろうと思っていた。
でもそれは変わることがないものと捉えていただけで。
なにも、彼だけを真っ直ぐに愛しているから、というわけではなかった――申し訳ないことだけれど。
なので私はそこまでショックは受けず新しい道へと足を進めることができた。
彼のいなくなった世界でも私は生きている。
◆
あれから数年、私は今、王都でケーキ屋さんを営んでいる。
リマージョスに婚約破棄された日から始めたケーキ作りが仕事にまで発展するとは夢にも思わなかったけれど、でも、努力してきた結果がこれなのだと思えばそれはとても嬉しい称賛だ。
どんなことがあっても心折れずに進んできて良かった。
迷いなく、躊躇いなく、そう言える自分を誇りたい。
そして同時に謙虚さも忘れず。
どこまでも真っ直ぐに歩んでゆきたい。
◆終わり◆
「お前との婚約だが、破棄とすることとした」
リマージョスは苦々しげな顔をしながらそんなことを言ってくる。
「え」
「分かったか? 婚約は破棄、そういうことだ」
「……本気で仰っているのですか?」
「ああもちろん」
わざわざ言ってくる、ということは、そういうことだろう。それは私も理解している。私とは馬鹿ではない。彼の心が決まっていることを理解できないほど愚かではない。
「ではそういうことなので、俺はこれにて失礼する」
「そうですね……今までありがとうございました、さようなら」
リマージョスはそそくさと出ていく。
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でもそれは変わることがないものと捉えていただけで。
なにも、彼だけを真っ直ぐに愛しているから、というわけではなかった――申し訳ないことだけれど。
なので私はそこまでショックは受けず新しい道へと足を進めることができた。
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◆
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どんなことがあっても心折れずに進んできて良かった。
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そして同時に謙虚さも忘れず。
どこまでも真っ直ぐに歩んでゆきたい。
◆終わり◆
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