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後編
しおりを挟む婚約破棄後、皆から悪く言われたのは意外にも私ではなかった。
皆彼の行いを知っていたようなのだ。
周囲は私が思うより賢くて、また、彼の日常について詳しかった。
おかげで私は無事悪者とならないまま解放されたのだった。
◆
――数年後。
私は気の合う人と巡り会い結婚。
今は二人の子を育てつつ夫ともそれなりに仲良くやっている。
毎日は充実している。
大変過ぎる! とか、忙し過ぎ! とか、愚痴をこぼしてしまうこともあるけれど。
でもそれでも楽しい瞬間はあるので、ここまで生きてきたことを後悔してはいない。
一方オーディオはというと、あの後一人の美女に惚れて迫るもこっぴどく否定されて拒否されたために心が壊れてしまったそうだ。
で、今はまるで壊れた人形のような状態になってしまっているらしい。
実家の自室にこもり、ほとんど出てこない。
一日のほとんどの時間をベッドの上で寝て過ごしている――身体が悪いわけではないのに。
そんな状態になってしまっていて、それでもなお、治療の意思は一切ないのだとか。
とにかく無気力なのだそうだ。
◆終わり◆
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