あまりにも唐突で、しかも雑な、そんな婚約破棄でした。~その後私は幸せに巡り会えたのです~

四季

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前編

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 さかのぼること一ヶ月、私は当時婚約していた男性から関係を終わりを告げられた。

 それはあまりにも唐突で。
 しかもその婚約破棄の理由が「ちょっともう飽きてきたから」というような雑なものだった。

 それで私はとんでもなく悲しんでいたのだけれど――ちょうどその直後に私を大切にしてくれる人と巡り会って。

「ずっと貴女を探していたんです!」

 彼が言うには、かつて私が彼を救ったことがあったよう。

 私はもう覚えていないけれど。
 でも彼は確かに覚えていて。

 それがあった、だからこそ、私たちの心が繋がるのに時間はそれほどかからなかった。

 不思議だった。
 まるでずっと昔から知っていたみたいな気がして。

 こんな関係もあるのだなぁ、と思った。

 だからこそ私たちはすぐに惹かれ合った。

 そして運命は動き出す――。


 ◆


 あれから一年と少し、私は彼と結ばれた。

 彼と過ごせる時間は何よりも愛おしくて。
 だからこそこれからも共に在りたいと思って、それで、夫婦となる決意を固めた。

 それでここまで歩いてきた。
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