1 / 2
前編
しおりを挟む「わたしねぇ、いつかきっと、幸せなお嫁さんになるんだぁ」
そう、それは幼い頃の自分。
私はかつてお嫁さんなるものに憧れていた。母から結婚後の生活の良い話を聞いていて影響もあるだろうが。愛する人と一緒に生きてゆく、そんな未来に希望を抱き憧れていた。
――だが現実は厳しい。
「もっと良い人が見つかってそっちの方がいいからって……婚約破棄された」
これで二度目の婚約破棄だ。
私は異性の引きが非常に悪い。
自分が馬鹿だからかもしれないけれど。
いつも大抵途中までは上手くいくのだ。しかしどこかで関係が冷えてきてしまう。そしてどこまで進んでいたとしても終わってしまうのだ。
「え!? そうなの!?」
母にはいつもすべて話している。
だから母は私のこれまでの経験についても全部知っている。
「うん……また。なんかごめん、母さん」
「いいのよべつに。でも、大丈夫?」
「うん大丈夫……けど、やっぱり駄目だなぁ私」
私には結婚は向いていないのだろうか。
時折そんなことを思ってしまう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる