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後編
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いつかこの苦しみから抜け出すことができるのだろうか。そんな日が来るのだろうか。初めは期待していた、いつか幸せを手に入れられることを。けれどもいつしか期待なんてものは見失って。私は一人縮こまっていることが多くなった。
何をしても嫌みを言われる。
どんなに頑張っても、力を尽くしても、それでも批判されるばかり。
心はもう折れそう。
◆
ある夜、私の前に一人の青年が現れた。
彼はかつて私が想いを抱いていた一人だった。すぐには分からなかったけれど、少し言葉を交わすうちに判明したのだ。
私は婚約者の家を飛び出した。
こんなことをしたら、きっと、とても大きな問題が発生してしまうだろう。揉め事に繋がってしまうだろう。そんなことは分かっている。ただ、その時の私にとっては、婚約者のもとから脱出することがすべてで。後のことなんてどうでも良かった。
この機会を逃したら、次はない。
覚悟を決めて婚約者の家を出る。
◆
五年後。
私は助け出してくれた彼と結婚した。
婚約者の家を脱走してからというもの、色々な障害が私の行く道を遮ろうとしてきた。問題は常に山積み。苦労ばかり、と言っても過言ではないくらい、とにかく問題が多かった。
婚約破棄にも時間がかかってしまったし、親にも迷惑をかけた。
けれども今、あの時の行動を悔いてはいない。
だって、あの時に覚悟を決めていなかったとしたら、幸せな今はなかったはずだから。
苦しみから逃れる道を選んだ。覚悟を決め、道を切り開くことを選択した。あの日の、あの晩の自分に、今は心から感謝している。そして、助けに来てくれた彼にも、感謝し続けている。
◆終わり◆
何をしても嫌みを言われる。
どんなに頑張っても、力を尽くしても、それでも批判されるばかり。
心はもう折れそう。
◆
ある夜、私の前に一人の青年が現れた。
彼はかつて私が想いを抱いていた一人だった。すぐには分からなかったけれど、少し言葉を交わすうちに判明したのだ。
私は婚約者の家を飛び出した。
こんなことをしたら、きっと、とても大きな問題が発生してしまうだろう。揉め事に繋がってしまうだろう。そんなことは分かっている。ただ、その時の私にとっては、婚約者のもとから脱出することがすべてで。後のことなんてどうでも良かった。
この機会を逃したら、次はない。
覚悟を決めて婚約者の家を出る。
◆
五年後。
私は助け出してくれた彼と結婚した。
婚約者の家を脱走してからというもの、色々な障害が私の行く道を遮ろうとしてきた。問題は常に山積み。苦労ばかり、と言っても過言ではないくらい、とにかく問題が多かった。
婚約破棄にも時間がかかってしまったし、親にも迷惑をかけた。
けれども今、あの時の行動を悔いてはいない。
だって、あの時に覚悟を決めていなかったとしたら、幸せな今はなかったはずだから。
苦しみから逃れる道を選んだ。覚悟を決め、道を切り開くことを選択した。あの日の、あの晩の自分に、今は心から感謝している。そして、助けに来てくれた彼にも、感謝し続けている。
◆終わり◆
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