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前編
しおりを挟む「将来結婚しような!」
「うん!」
「一緒に生きていこうな!」
「そうだね!」
幼い頃、仲良しだった私とリックは、いつもそんなことを話していた。
もちろん子ども同士の会話。だから深い意味はなかったと思う。けれどもお互い言葉に偽りはなく。私たちは共に、輝かしい未来を見つめ、想っていた。
あの頃は良かった。
何でも楽しかった。
輝く未来を夢みて。
彼と歩めたらと迷いなく思っていた。
◆
あれから数年、私とリックは婚約したのだけれど、それから少しして彼の様子がおかしくなって……。
「最近リック一人の外出多くない?」
「そうか?」
「なんかさ、前はもうちょっと少なかったよね」
「そうかなぁ、こんなものだと思うけど」
「いやいやそれはないって。何か変わったことでもあった?」
「うーん、特にないかなぁ」
しかし、知人を通じて、リックの浮気が発覚。
しかも浮気なんて生温いものではなかった!
二人であって遊ぶ、なんてものじゃない。
もっと一線を越えたところまでいっていたのだ。
一度気にし始めると不自然な情報は次々に出てきて……。
こうなったら仕方ない。
もう見て見ぬふりはせず戦おう。
――そう心を決めて。
証拠を厚め、それを突きつけてみることに。
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