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3話
しおりを挟む「フィレルぅぅぅぅぅ……なんてことをしているんだああああぁぁぁぁぁ? ふざけるなよおおおおおおおッ!!」
「あ、いや、ちが……」
「何が違うんだ! 明らかに不倫だろう! こんなことをしておいてわしのもとで働けると思っているなら……間違いだぞおおぉぉぉぉぉッ!!」
かつて不倫によって心を壊された社長は不倫というものを見逃すことができないようだ。
「フィレル!! クビだ!! 明日からもう来るなッ!!」
こうしてフィレルはクビになった。
翌日から出社することは許されず。
会社の知り合いに顔を晒すことさえ叶わなくなった。
そして、悪行に手を染めていたもう一人――レネも、九割の減給という罰を言いわたされたため、それに反発して自ら退社した。
私はフィレルとは離婚。
彼とはもう歩まない。
一度決まった心は変わりはしないのだ。
「フィレルさんがまさかあーんなやらしい人だったなんてねぇ」
「後輩に手を出すとか……ないわー」
「怖すぎ」
「ね! あり得ないわよね」
会社ではしばらくフィレルの話をしている人が絶えなかった。
「外面はいいのにさぁ、妻がいる身で他の女に手を出すとか、最低だわ。急に嫌いになっちゃった」
「あー良かった、関わってなくて」
「あたし声かけられたことあったんだけどさー、無視しておいて良かったわ。あんなのを狙ってるんだったら関わりたくないしー」
私はそれからも同じ職場で日々働いた。
皆色々気を遣ってくれて。
おかげで辛い思いは少しだけで済んだ。
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