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2話
しおりを挟むきっとそうだろう、恐らく彼女があんなことをしたのだ。
確かに、あの部屋に入ることができる人なんて限られている。私を除けば両親と妹くらいのものだろう。泥棒でも入っていたのなら話は別だが、さすがにそれはないと思うので、だとすれば犯人は妹の可能性が高い。
「貴女がやったの!?」
「あらぁ? 酷いですわね、お姉さま。そんなことを仰るだなんて」
「……貴女が犯人なのね」
「知りませんわ。不幸を他人に押し付けないでくださるかしらぁ? 迷惑ですわよ。これ以上そんなことを言うのなら、親に言いつけますわよ」
もし言いつけられたら、両親はきっと妹の味方をするだろう。だって二人は彼女が私から婚約者を奪ったと知っていても聞くだけで流したような人たちだから。二人はきっと妹を悪とは見ない。
「……もう、いいわ」
これ以上ややこしいことに巻き込まれたくない。
だから話はここまでにしておこう。
そんなくだらないことにエネルギーを裂くのは嫌だ、私は未来のために歩んでゆきたい。
地味なドレスでも仕方ない、私はこれを着て行くしかない。
飾れなくても。
相手にされないかもしれなくても。
それでも私は突き進む。
◆
結論から言うと、地味なドレスを着てきて良かった。
「貴女のその装い! 素晴らしい! 派手な女ばかりでげんなりしていたのです……本当に、本当に……そのセンス、尊敬します!」
私のことを気に入ってくれた男性がいた。
彼の名はオーウェス。
西の地方の領主の青年である。
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