姉妹の中で私だけが平凡で、親から好かれていませんでした

四季

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前編

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 四人姉妹の上から二番目として生まれた私——アルノレアは、何かと損な人生を歩んできた。

 生まれた時には既にこの世に存在していた姉、長女は、美しい容姿を持ち手先が器用で家事も難なくこなしてしまう完璧な女性。

 それに比べて、私は、すべてにおいて普通。
 私は姉のような通った鼻筋も華やかな瞳も持っていない。私にあるのは、悪くもなく良くもない平凡な容姿のみ。

 毛嫌いされる容姿でないだけまだ幸せなのかもしれないけれど。

 でも、美しいとされる姉を間近で見てきた私にしてみれば、なぜ自分はこんな平凡なのだろう、と思わずにはいられない。

 そして、器用さでもまた、私は姉に負けていた。

 姉は何でもすんなりこなす。初めてのことでもそれなりにできる。とにかく能力が高く、それも、彼女が賞賛される一因であった。

 ただ、だからこそ、余計に比べられた。

「なぜお前はそんなに不器用なの?」

 母親からはよくこんなことを言われた。

「美しさがないんだ、もう少し器用に生きられるようになれ。そうでなくては価値がない」

 妻に似ている姉を大層可愛がっていた父親からは、ことあるごとに嫌みを言われていた。

 でも、姉妹二人であった時代はまだ幸せだったのだと、後に気づくことになる——そう、妹が生まれたのである。

 最終的に妹は二人になった。そして、その二人もまた、姉と同じような美しいとされる容姿を持っていた。となると、家の中で平凡な容姿なのは私だけとなってしまって。両親、特に父親は、私を露骨に嫌うようになった。

 そんな状態で迎えた、私の十八の誕生日。

 父親が珍しく声をかけてきた。

「アルノレア、少しいいか?」
「何でしょうか」

 父親は私を名前では呼ばない。いつも『お前』などと呼ぶ。だからこの時は違和感を覚えた。なぜ名前で呼ぶのか、と。なぜそんなに機嫌が良さそうなのか、と。

「良い婚約者を見つけた。隣国の領主の次男だ」
「なぜ私に?」
「何でも、三十過ぎてまだ独身らしい。余り物同士気が合うかもしれないぞ」

 つまり、父親は私を追い出そうとしているのだ。

 気に食わない女をこの家から追い出して不満のない暮らしをしたい、といったところだろうか。
 どうしていきなり私を気にかけ始めたのかと不思議に思ったけれども、そういうことなら納得だ。私を家から追い出すための行動、ということなら、理解はできる。

 でもこれは良い機会かもしれない。

 私としても、いつまでのこの家にはいられない。いや、いるだけなら可能だけれど。ただ、気まずさの中でずっと生きてゆくというのは、さすがに辛い。

 別の場所に行ったからといって、今以上の幸せがあるとは限らない。

 けれども、賭けることはできる。
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