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前編
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それはある日のこと。
王国の姫でもある僕の幼馴染みが、魔王に誘拐されてしまった。
あまりに急すぎて、最初は驚くばかりだった。いきなりそんな物語みたいなことを言われても、すぐに理解できるわけがない。
最初に聞いてから半日くらいが経ち、ようやく状況を理解した僕は、彼女を助けにいくことにした。だって彼女は僕の幼馴染み。それに、今まで凄くお世話になってきたから。
しかし、僕のような平凡な人間が自力で魔王を倒すのは、ほぼ不可能だ。対策を考えるためにも、まずは魔王について調べなくてはならない。
そこで僕は叔父さんに相談した。すると、叔父さんは「何でも知っている知人がいるから紹介する」と言ってくれた。
叔父さんの紹介のおかげで、僕は巫女に会えることになったのである。
「相談に来ました」
「おぉ、よく来たな。まずはそこへ座るがよい」
「ありがとうございます」
僕が着席するや否や、巫女は言う。
「魔王を倒す方法を聞きにきたのであろう?」
「はい。よろしくお願いします」
「では言おう。お主には無理じゃ」
いきなりきっぱり言われてしまった。
だがこんなことで諦める僕ではない。
しりとりで使える「る」から始まる言葉を十三種類くらい教えてくれた彼女を! しりとりで相手をやや困らせられる「る」で終わる言葉を五十六種類くらい紹介してくれた彼女を! カップラーメンを作った後にはポット内の湯の残量をチェックすることを説明してくれた彼女を!
僕は絶対に助けるんだ!!
王国の姫でもある僕の幼馴染みが、魔王に誘拐されてしまった。
あまりに急すぎて、最初は驚くばかりだった。いきなりそんな物語みたいなことを言われても、すぐに理解できるわけがない。
最初に聞いてから半日くらいが経ち、ようやく状況を理解した僕は、彼女を助けにいくことにした。だって彼女は僕の幼馴染み。それに、今まで凄くお世話になってきたから。
しかし、僕のような平凡な人間が自力で魔王を倒すのは、ほぼ不可能だ。対策を考えるためにも、まずは魔王について調べなくてはならない。
そこで僕は叔父さんに相談した。すると、叔父さんは「何でも知っている知人がいるから紹介する」と言ってくれた。
叔父さんの紹介のおかげで、僕は巫女に会えることになったのである。
「相談に来ました」
「おぉ、よく来たな。まずはそこへ座るがよい」
「ありがとうございます」
僕が着席するや否や、巫女は言う。
「魔王を倒す方法を聞きにきたのであろう?」
「はい。よろしくお願いします」
「では言おう。お主には無理じゃ」
いきなりきっぱり言われてしまった。
だがこんなことで諦める僕ではない。
しりとりで使える「る」から始まる言葉を十三種類くらい教えてくれた彼女を! しりとりで相手をやや困らせられる「る」で終わる言葉を五十六種類くらい紹介してくれた彼女を! カップラーメンを作った後にはポット内の湯の残量をチェックすることを説明してくれた彼女を!
僕は絶対に助けるんだ!!
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