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前編
しおりを挟むその日、私は、ある池の近くに呼び出された。
なぜそんなところに呼び出されたのだろう?
そう思っていたのだが。
呼び出されてもなお謎は謎のままで――しかし、婚約者の彼ルリッシュが何を告げようとしているのかは大体想像できた。
というのも、彼の隣には一人の女性がいたのだ。
婚約者の横に女性。
そして呼び出された。
それが意味するところ――何となくではあるが読める。
「あの、用とは……?」
「ああ実は言いたいことがあってな」
「何でしょうか」
「お前との婚約なのだが、破棄とすることにした」
女性はルリッシュの腕に細めの両腕を絡めている。
「婚約、破棄……」
「そういうことだ。ま、これを見れば分かるだろ?」
「まぁ、そうですね……確かに、想像はできます」
「じゃ、そういうことなので。じゃあな、ばいばい」
ルリッシュはくるりと進行方向を変えて去っていく。
刹那、ルリッシュの隣の女性がてててとこちらへ近づいてきて――。
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