姉たち、ざまぁ

四季

文字の大きさ
上 下
2 / 2

後編

しおりを挟む
「実はですね、第一王子が貴女を妻にしたいと仰っておりまして」
「え」
「どうか、一度王子と会ってはくれないでしょうか」

 唐突なことに驚きつつも、私は頷いた。

「はい。ぜひ」

 虐められるばかりのここにいても人生は好転しそうにない。それならもういっそどこか違うところへ行ってしまおう。たとえそれが賭けだとしても、ここで黙っているよりかはましなはずだ。

「聞いた!? アメリーが城に呼ばれたそうよ!?」
「王子様は見る目ないわねぇ。こんな美人な姉がいるというのに」
「何なのアイツ! 調子に乗ってるわね!」
「そうよねぇ」

 姉たちは何やら私の悪口を言っていたけれど、無視して家を出た。

 その後私は第一王子カラメリゼと婚約した。

 それを耳にしたリナとニレイナとカサブランカは、羨んでか、私の悪口を言いふらしていたようだ。だが意味なんてない。彼女たちが何か言ったところで、もはや誰も信じないのだ。

 結婚式の日、リナとニレイナは荒くれ者たちと式場の近くにまでやって来て、暴れまわった。
 その結果、犯罪者として捕まった。

 カサブランカはというと、私へのいじめ行為がばれ、私の実父に離婚を言い渡されたそうだ。

「幸せになろう、アメリー」
「はい。よろしくお願いします」

 私はカラメリゼの妻となり、穏やかに生きた。


◆終わり◆
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。


処理中です...