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後編

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 そして私はフルンベの行いをすべて明かした。

 もはや彼への情はないと言っても問題ないくらいだ。だから、救いようのない彼に救いを手を差し伸べる気なんて、まったくと言ってもおかしくないくらいない。欠片ほどもない。どうにでもなってしまえ、というくらいである。

 私と彼の婚約は破棄となった。
 その代わり、慰謝料としてそこそこな額の固まったお金を得ることができた。


 婚約破棄の後、フルンベの評判は地に堕ちたそうだ。

 自ら婚約破棄を告げたが婚約者に逆襲された情けない人物として地元で有名になってしまったのだ。
 誰か一人が情報を次の人に言えば、その人もまた次に言う。そんな風にして、話はあっという間に広まって。気づけばほとんどの人が彼の情けない話を知っている状態になったとか。

 そんなだから女性たちからも相手されなくなったようだ。

 すれ違うたびジロリと見られ、大好きだった女遊びも満足にできず、しまいにフルンベは心を病んでしまったそうだ。

 今は自室で寝ている時間が一日のほとんどらしい。


◆終わり◆
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