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前編
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顔は良いが超絶意地悪な姉フェリッタには良い家の出の婚約者がいる。
彼女はその人と結ばれる予定であることを誇りに思っていて、思うだけなら良いのだが、たびたび私のことを見下すようなことを言ってくる。
婚約が決まってからというもの、数えきれないほど「貴女には無理よね、こんな良い人と出会うこと。だってダサくて愚かだもの」などという言葉をかけられて、今日にまで至っている。
そんなある日、私は、やむを得ず姉と一緒にあるパーティーに参加することとなった。
そしてそこで私は高貴な家柄の男性から声をかけられ、そのせいで姉を苛立たせてしまい、休憩室にて二人きりになった途端怒鳴られてしまう。
「あんたねぇ! 何よあれ! あたしの目の前で声をかけられるなんて、どういうつもり!? もうサイッテー! 気分悪いわ、ほんと!!」
「ご、ごめんなさい……姉さん……」
「今日はあたしが主役なの! あんたはおまけ! なのにあんな風に注目されるなんて生意気よ、もう、どういうことなのよあれ。あんたはあんたらしく大人しくしていなさいよ!」
理不尽だと思った。
でもそんなことは言えない。
だって、もしそんなことを言ったとしたら、絶対に今より激しく怒られてしまう。
だからただ謝っておくしかなかった、のだが――。
「何してるんだフェリッタ」
休憩室に突如現れたのはフェリッタの婚約者である男性オーラ。
「あ……あ、あら、オーラ様」
「今、怒鳴っていなかったか」
「あ、ああ、いえ、そうではないのです。ただ少しお話していただけですわ」
オーラはこちらへ目を向けてくる。
「それは事実なのか?」
き、気まずい……。
でもこれはもしかしたらチャンスかもしれない。
誰かに真実を明かせたなら。
もしかしたらそれによって姉からの当たり散らしが改善されるかもしれない。
彼女はその人と結ばれる予定であることを誇りに思っていて、思うだけなら良いのだが、たびたび私のことを見下すようなことを言ってくる。
婚約が決まってからというもの、数えきれないほど「貴女には無理よね、こんな良い人と出会うこと。だってダサくて愚かだもの」などという言葉をかけられて、今日にまで至っている。
そんなある日、私は、やむを得ず姉と一緒にあるパーティーに参加することとなった。
そしてそこで私は高貴な家柄の男性から声をかけられ、そのせいで姉を苛立たせてしまい、休憩室にて二人きりになった途端怒鳴られてしまう。
「あんたねぇ! 何よあれ! あたしの目の前で声をかけられるなんて、どういうつもり!? もうサイッテー! 気分悪いわ、ほんと!!」
「ご、ごめんなさい……姉さん……」
「今日はあたしが主役なの! あんたはおまけ! なのにあんな風に注目されるなんて生意気よ、もう、どういうことなのよあれ。あんたはあんたらしく大人しくしていなさいよ!」
理不尽だと思った。
でもそんなことは言えない。
だって、もしそんなことを言ったとしたら、絶対に今より激しく怒られてしまう。
だからただ謝っておくしかなかった、のだが――。
「何してるんだフェリッタ」
休憩室に突如現れたのはフェリッタの婚約者である男性オーラ。
「あ……あ、あら、オーラ様」
「今、怒鳴っていなかったか」
「あ、ああ、いえ、そうではないのです。ただ少しお話していただけですわ」
オーラはこちらへ目を向けてくる。
「それは事実なのか?」
き、気まずい……。
でもこれはもしかしたらチャンスかもしれない。
誰かに真実を明かせたなら。
もしかしたらそれによって姉からの当たり散らしが改善されるかもしれない。
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