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後編
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「私が、悪いのです」
「そうか」
「……姉さまの前で声をかけられる、から」
「何だと?」
「姉さまの目の前で殿方から声をかけられて、それで、だから……姉さまを怒らせてしまったのです」
するとオーラは冷ややかな目をする。
「フェリッタ、お前、そんなことで妹に怒っていたのか?」
「ち、違いますわ!」
「ではどうしてあんなに怒鳴っていたんだ」
「あっ……あれは、その……ただ少し、声が大きくなってしまっただけ、で……」
ごまかそうとするフェリッタだが。
「嘘だな」
オーラはきっぱりとそんなことを言った。
「前々から聞いていたのだ、フェリッタ、お前が妹を虐めていると」
「なっ……!?」
「だが証拠はなかったのでこれまで何を言えずに来た、が、これはもう黒だな。確定だ。先ほどの怒鳴り方、あれは酷い」
何だこれ、怪しい雰囲気……?
「よって、フェリッタ、お前との婚約は破棄とする!!」
えええっ!?
思わず叫びそうになってしまった。
……何とか堪えたけれど。
「あ、あ……あ、ど、どう、して……」
フェリッタは声を震わせ、涙をこぼし、座り込んでしまう。
「オーラ様……酷い……ひど、い……」
彼女はそう言って泣いたけれど、オーラはちっとも気にしていないようだった。
彼は一礼してそのまま去っていった。
◆
あの後フェリッタは心を病んだ。何も言わなくなってしまって。抜け殻のようになってしまった。彼女はあれ以来滅多に自室から出てこなくなり、また、家族とすら会話しないようになっていった。
一方私はというと、あのパーティーにて声をかけてくれた男性と婚約することになった。
人生に希望が出てきた。
もしかしたら上手くいくかもしれない、幸せになれるかもしれない、そんな風に思えるようになってきた。
今、私とフェリッタは対照的な精神状態だ。
状況は大きく好転した。
私はこれからもきっと前向きに歩んでゆけるだろう。
◆終わり◆
「そうか」
「……姉さまの前で声をかけられる、から」
「何だと?」
「姉さまの目の前で殿方から声をかけられて、それで、だから……姉さまを怒らせてしまったのです」
するとオーラは冷ややかな目をする。
「フェリッタ、お前、そんなことで妹に怒っていたのか?」
「ち、違いますわ!」
「ではどうしてあんなに怒鳴っていたんだ」
「あっ……あれは、その……ただ少し、声が大きくなってしまっただけ、で……」
ごまかそうとするフェリッタだが。
「嘘だな」
オーラはきっぱりとそんなことを言った。
「前々から聞いていたのだ、フェリッタ、お前が妹を虐めていると」
「なっ……!?」
「だが証拠はなかったのでこれまで何を言えずに来た、が、これはもう黒だな。確定だ。先ほどの怒鳴り方、あれは酷い」
何だこれ、怪しい雰囲気……?
「よって、フェリッタ、お前との婚約は破棄とする!!」
えええっ!?
思わず叫びそうになってしまった。
……何とか堪えたけれど。
「あ、あ……あ、ど、どう、して……」
フェリッタは声を震わせ、涙をこぼし、座り込んでしまう。
「オーラ様……酷い……ひど、い……」
彼女はそう言って泣いたけれど、オーラはちっとも気にしていないようだった。
彼は一礼してそのまま去っていった。
◆
あの後フェリッタは心を病んだ。何も言わなくなってしまって。抜け殻のようになってしまった。彼女はあれ以来滅多に自室から出てこなくなり、また、家族とすら会話しないようになっていった。
一方私はというと、あのパーティーにて声をかけてくれた男性と婚約することになった。
人生に希望が出てきた。
もしかしたら上手くいくかもしれない、幸せになれるかもしれない、そんな風に思えるようになってきた。
今、私とフェリッタは対照的な精神状態だ。
状況は大きく好転した。
私はこれからもきっと前向きに歩んでゆけるだろう。
◆終わり◆
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