婚約破棄された私は、恋も愛も捨て、仕事に生きることにしました。けれども結婚の道が再び現れ……!?

四季

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前編

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 私たちは幸せになれると思っていた。
 共に歩めると信じていた。

 婚約が決まった日、私も、彼も、そう思っていたと思う。

 あの時見つめ合った表情。
 そこに偽りはなくて。
 二人は共に互いを想い視線を重ねていた。

 だから変わらずにいられると思っていたのに――。

「俺は君との婚約を破棄する」

 婚約者レミングはそう言ってきた。

 しかもその隣には女性がいる。
 栗色の髪のどこか小動物的な雰囲気がある女性だ。
 睫毛が作り物のように長い。

 確かに男性受けは悪くなさそうだ。

「婚約、破棄……?」
「ああ。俺はこの女性と生きることを決意したんだ」
「……そんな」
「悪いな、伝えるのが急で」

 そこじゃない。

「でも、もう決めたことだから。じゃあこれで……さようなら」
「待って、お願い、話を――」
「もう聞くことはないよ。さよなら」

 話をしたかった。
 少しでもいい。
 何がどうなってそんなことになったのかだけでも聞かせてほしくて。

 でも叶わなかった。

 私には、説明を求める権利なんてなかった……。

 季節が流れ花が散るように。
 二人の時も終わりゆく。
 そして二度と戻らないのだ。
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