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後編
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あれから私は働き続けた。
もうやけくそだった。
知人が営む宿で朝から晩までとにかく大量に雑用をこなした。
嫌な記憶を掻き消すかのように。
そうしているうちに心の傷は薄れてきて。
「最近表情明るくなったね」
「はい! この仕事が楽しいので!」
いつしか人生に光を見ることができるようになっていった。
「雑用ばかりでごめんねぇ」
「いえいえ! これからもどんどんお願いします! できる限り働きます」
恋はしない。
愛も要らない。
でも日々の仕事は愛おしい。
いつまでもこんな風に走り回っていたい。
「お茶でも飲むかい?」
「あ、今から二回のベッドを整えてきます」
「ええ……ちっとは休んだらどうだい?」
「ベッドの作業が終わってからで良いでしょうか」
「ああいいよ。じゃ、用意しておくからね」
◆
だが私は結婚した。
相手は宿によく泊まりにきていた人。
これもある意味では職場での出会い、かもしれない。
つまり、働いていた宿の常連客の男性だ。
結婚なんて考えないようにしていたけれど、気づけば夫婦になっていた。
とはいえ退職はしなかった。
変わらず働き続けている。
今さら結婚したからといって仕事を辞めることはできないのだ、自分の気分的に。
――ちなみにレミングはというと、あの後あの時の女性と結婚したそうだが、妻に貯金を勝手に使われたらしい。
しかも、妻が使っていたのは、整形に、だったそうで。
レミングは妻の顔が作られたものであることにショックを受けて心を病み、療養中のある日、急に自ら命を絶ったそうだ。
◆終わり◆
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