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貴方を愛している。誰よりも、何よりも。だからこそ、婚約破棄されるくらいなら貴方を今ここで――。
しおりを挟む私は婚約者エッフェルを愛している。
海より深く。
天より高く。
愛は何よりも大きく果てしない。
彼のためなら死ぬことだって怖くはない。
彼のためなら何だってできる。
彼が傍にいてくれる限り、何でも――。
「君より妹さんのほうがずっと可愛いよ! だから君との婚約は破棄する! いいね? あーあ、もっと早く妹さんの可愛らしさに気づいていればなぁ、そうすれば君なんかと婚約せずに済んだのに」
希望は断ち切られた。
「しっかし、姉妹で本当に別人だよな。別の家の女みたいだよ」
エッフェルは私を愛さなかった。いや、それだけならまだ良かった。愛し合っていない夫婦だっているから。たとえ永遠に愛されずとも、私は彼を愛し続ける。その自信はあった。
でも彼は――私の妹を気に入っていた。
「そうね、あの子はいい子よ……」
妹のことは嫌いではない。
でももう愛せない。
愛も、憎しみも、混ざり過ぎた。
「けれど、貴方があの子のものになるのは嫌」
共にあれないなら、ここですべてを終わりにする。
私は突き立てた。
飾り物の剣を、目の前の彼へ。
「これで貴方は永遠に私のもの」
彼の死を目に焼き付け、私は旅立つ。
あてなどなく。
それでも世界へ足を進める。
もう清き道へは戻れない。
けれどもそれで構わない。
◆終わり◆
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