貴方を愛していた、でも、この想いは貴方には届かなくて……気づけば婚約破棄されすべてが終わってしまっていたのです。

四季

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貴方を愛していた、でも、この想いは貴方には届かなくて……気づけば婚約破棄されすべてが終わってしまっていたのです。

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 私は貴方を愛していました。

 まだ十代の頃に出会った貴方、私にはとても輝いて見えて、ずっと憧れていて。だからこそ、貴方との婚約が決まった時にはとても嬉しかったのです。貴方に相応しい女性になろうと思い、日々、努力しました。

 ですが、その努力も良い実りとはならず。

 気づけば婚約破棄を告げられてしまっていて、貴方との日々は突如終わってしまったのです。

 どうすれば良かったのだろう。
 どうすれば一緒にいられたのだろう。

 今でも、そう思うこともあります。

 貴方との日々を失ってからしばらくは私にとってはとても辛く悲しい時間で、地獄のような色の中で時間が流れてゆきました。

 けれども、あれから数年が経った今、私はもうあの場所に留まってはいません。

 そして今日。
 私はこの国の第二王子と結ばれます。

 私は新たな一歩を踏み出すのです。

 かつて愛した貴方との日々はいつまでも大切なもの。けれども貴方への執着は永遠ではなく、いつしか、私の瞳は前を見据え始めるのです。けれども、あの日々の辛さは、きっと良き未来の礎となるでしょう。貴方との絶望、瓦礫さえ、明るい未来の地面を造るのです。


 ◆


 こうして私は第二王子の妻として幸せに生きましたが、一方元婚約者の彼はというと――押し売りのような詐欺に巻き込まれてしまって資産をほぼ失ったうえ周囲に物をやたらと売りつけようとした皆に避けられるようになり、やがて親からも縁を切られ、今ではすっかりひとりぼっちになってしまっているそうです。


◆終わり◆
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