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前編
しおりを挟む低級ながら魔法使いの私。
悪いことはしていない。
私が魔法を使うのは基本的には人のためになる時だけ。
しかし婚約者ポンポトには理解されていない。
彼は私のことを『穢れた魔女』と呼ぶ。
そして、本当は婚約する気なんてなかったんだ、と繰り返す。
そんなことを言うなら最初から婚約しなければ良いのに……と思うのだけれど。
でも、愚痴を言いつつも婚約したというところが、彼の厄介としか言えない部分である。
◆
そんなある日。
「悪いなぁ急に」
「いえ」
「伝えたいことがあってな」
「何でしょう?」
「婚約、破棄することになったから」
来た!
ついにこの日がやって来た。
一種の嬉しさはある。
「婚約破棄、ですか」
「そうそう」
「理由は何かありますか?」
「ま、穢れた魔女と結ばれるのが嫌だったから、が第一だな」
それから、数時間にわたって、ポンポトは私を侮辱するような言葉を並べた。
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