婚約破棄され壊れていった青年は幸福な幻を見つめながら生きていく。

四季

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後編

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 ◆


 それから数週間が経ったある日。
 僕は散歩しているとたまたまマリナに出会った。

 マリナは男性と二人で歩いていた。
 その表情は明るくて。
 僕は見たことがないくらい楽しそうだった。

 瞬間、僕の中の何かが壊れた気がした。

 彼女を本当に笑顔にはできていなかった。彼女のために僕がしてきたことは、彼女を幸せにすることにはなっていなかったのだ。ただの自己満足で。僕が勝手に納得して彼女のために何かできているような気がしていただけ。

 黒いものが渦巻く。

 そして、僕は、正気を失い男性に襲いかかっていた。

「僕のマリナをよくも! 奪いやがって! 返せ、返せよ!!」

 そして気づけば僕は二人ともを殺めていた。


 ◆


 あの事件から二年が経った。

 僕は今も牢の中にいるけれど、あの日僕がしたことを後悔したことはない。

「マリナ、僕がああしたおかげで幸せになれたっていっつも言ってるもんね。ふふっ。やっと君の力になれた、嬉しいよ」


 マリナは死んだって言ってくる人もいるけど……そんなことない、彼女は今も僕の傍で生きているよ。


◆終わり◆
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