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1話
しおりを挟む幼い頃から料理が好きだった私は、十八歳になったその日、新興領地持ちの家の子息であるエレルレッゼ・フリュベルから婚約してほしいと言われた。
家の地位的にこちらの方が下だったこともあって断ることは難しくて。
受け入れるしかない状況で。
私はそのままエレルレッゼと婚約することとなった。
本当は料理の道へ進みたかったのだけれど……夢は夢として諦めるしかなかった。
――しかし。
婚約後数週間経った頃から、彼の行動に不審な点が増えてきた。
それまでは定期的に会っていたのだが次第になぜか無視されるようになってゆき、少し会おうと誘ってみても用事があるとか何とか言われて断られるようになっていって。
そして気づけば、とても婚約者同士とは言えないような関係になっていってしまっていた。
で、やがて、親友が教えてくれる。
「エレルレッゼさん、女と歩いてたよ!!」
聞きたくなかったけれど薄々勘づいていた現実――それから目を逸らすことができない時が来てしまった。
「エレルレッゼさん、最近、特定の女性と会っているそうですね」
「え? 何の話?」
「目撃情報がたくさん集まってきているんです」
「……目撃情報?」
「金髪でたらこ唇な女性と定期的に会っていますよね。で、その人の名前はミルレアさんではないですか? エレルレッゼさんがその女性と一緒にいるところを目撃した親友から、そう呼んでいたと聞きました」
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