1 / 1
今年もまた白い季節がやって来る
しおりを挟む今年もまた白い季節がやって来る
街を歩く人たちの
吐息までも白くて
何だか少し弾んで見えた足取りも
空気の冷たさに溶けて消えた
どことなく楽しい季節
でもわたしには複雑な思いの季節
そうあれは
ずっと前のことだけれど
今も胸に欠片が残っていて
あの日砕け散った心の残り香は
いつまでもつきまとう
この胸に
この心に
破片によってついた傷は残ったまま
時だけが流れてゆく
今年もまた白い季節がやって来る
いつだったかな
あなたが最後に言ってくれた
「愛してる」
それを耳にしたのは
今はもう思い出せないね
遠くて
遠ざかり過ぎていて
それでも
あなたが最後に言った
「婚約破棄」
それは今も鮮明に思い出せる
人の脳って厄介
人の脳って面倒
だって
嬉しくないことだけは鮮明に
いつまでも残るのだから
今年もまた白い季節がやって来る
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?
四季
恋愛
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
失礼な人のことはさすがに許せません
四季
恋愛
「パッとしないなぁ、ははは」
それが、初めて会った時に婚約者が発した言葉。
ただ、婚約者アルタイルの失礼な発言はそれだけでは終わらず、まだまだ続いていって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる