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婚約破棄を告げられ胃が痛い――のだけれど、意外な展開で、気づけばもやもやは晴れていました!? ~ああもうこれはいろんな意味で驚きです~
しおりを挟むああ、胃が痛い。
なぜって?
婚約者から一方的に婚約破棄を告げられたから。
間違いなくそれだろう、胃痛の原因は。
どうして私がこんな目に遭わなくてはならないのか。
何度も脳内で繰り返してしまう。
いくら巡らせても無意味だと分かってはいるのに。
そんな風に一人佇んでいた、夜。
「ちょっと! マロウ!」
母が急に大慌てで駆けてきた。
「……母さん?」
「今さっき連絡があったの!」
「連絡? 友達とか?」
「違うわ! 城からよ!」
「えっ……し、城……?」
「何でも、王子が貴女に会いたいと仰っているそうなのよ!」
それまでももやもやは一気に吹き飛んでいく。
なぜだろう。
告げられたことが衝撃的だったからだろうか。
……また別の胃痛がやって来そうだが。
「前に見かけてからずっと気になっていたんですって」
でも、もしかしたら、希望の種が降り注いできているのかもしれない――そんな風に思う部分もある。
「見間違いとかじゃなく……?」
「実際連絡してきているくらいだから間違いではないと思うわ」
すぐには信じられないけれど。
それでも光の欠片を垣間見たような気がした。
「そう……そうなのね、嘘みたい」
「しっかり! これは現実よ!」
「あ、う、うん。そうよね。ありがとう母さん。言われた通り、しっかり気を保っていかないとね」
そうだ、私には未来がある。
まだすべてが終わったわけではない。
だから前を向こう。
そして一歩ずつ歩みを進めてゆこう。
その先にこそ希望があるはずだから。
◆終わり◆
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