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1話
しおりを挟む「「「さぁ! 泳ぐぞぉーっ!」」」
同性の友人数人で海へやって来た。
新しい水着は露出の少ないもの。
なぜって肌を晒す必要性は一切ないからだ。
純粋に可愛いと思える水着を選んで持ってきた、そして着用している。
楽しさいっぱいな心で砂浜に立っていたのだが。
「え……」
偶然婚約者フルールに出会ってしまって。
「おま……ど、どうしてこんなところに……?」
引いたような顔をされてしまう。
「嘘だろ、あり得ねぇ……」
そんなに悪いことか? ただ砂浜ににいるだけではないか。それだけでもそんなに非常識なことなのか? いやいやそれはないだろう。それに、彼にそんなことを言う権利はない。だってそもそも、彼も海へ来ているではないか? 自分も来ておいて私が来ていることに対しては批判するというのならそれはおかしな話だ。
「どうしました? フルールさん」
「お前! 実は最低女だったんだな! あーあ、がっかりした!」
フルールはそれが当たり前であるかのように心ない言葉を投げつけてくる。
「え? え? ……えと、あの」
戸惑っていると。
「どーせナンパされに来てたんだろ!? 女で、群れで、だらしねぇ!!」
急に叫ばれた。
通りすがりの人たちの視線が私とフルールに集まる。
大変気まずい状況だ。
これではまるで私がやらかして喧嘩になってしまったかのようではないか。
いろんな意味で恥ずかしい……。
「違いますよ!!」
「いや絶対そう絶対そう」
「話を聞いてください」
「ならどう違うって言うんだ!!」
「女だけで遊びに来た、ただそれだけです」
説明しようとするのだが、彼はもう聞く耳を持っていない。
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