2 / 3
2話
しおりを挟む
「婚約、破棄します」
ミットネルの顔面が絶望に染まる。
「そ……そん、な……」
彼は唇を紫色にしていた。
「たった一度、たった、一度だけ……なの、に……」
「一度でも見た方が傷つくのよ」
「だから! ごめんって! 言ってるじゃないか!」
「逆ギレしないで」
「……ごめんなさい」
「後から謝ってもらってもどうしようもないこともあるのよ、この世界には」
こうして私はミットネルの前から去ることを選んだ。
未練などあるわけがない。
ただ、悲しみ、切なさ、そういったものは確かに存在する。
彼を信じてきた日々を。
幸せを信じてきた日々を。
今はとても遠く、そして、悲しく感じる。
妹さえいなければ今でも私たち仲良しでいられたのかな。
このまま結婚にまで真っ直ぐ進めたのかな。
何度もそんなことを考えて。
でもそのたびに「無駄なことよ」と自分に言って聞かせた。
もうすべて終わったの。
今さら何を考えようとも過去へは戻ることなどできない。
ならば今はただ前を向き続けるべし。
それだけが、幸せな未来へと向かう道。
ミットネルの顔面が絶望に染まる。
「そ……そん、な……」
彼は唇を紫色にしていた。
「たった一度、たった、一度だけ……なの、に……」
「一度でも見た方が傷つくのよ」
「だから! ごめんって! 言ってるじゃないか!」
「逆ギレしないで」
「……ごめんなさい」
「後から謝ってもらってもどうしようもないこともあるのよ、この世界には」
こうして私はミットネルの前から去ることを選んだ。
未練などあるわけがない。
ただ、悲しみ、切なさ、そういったものは確かに存在する。
彼を信じてきた日々を。
幸せを信じてきた日々を。
今はとても遠く、そして、悲しく感じる。
妹さえいなければ今でも私たち仲良しでいられたのかな。
このまま結婚にまで真っ直ぐ進めたのかな。
何度もそんなことを考えて。
でもそのたびに「無駄なことよ」と自分に言って聞かせた。
もうすべて終わったの。
今さら何を考えようとも過去へは戻ることなどできない。
ならば今はただ前を向き続けるべし。
それだけが、幸せな未来へと向かう道。
24
あなたにおすすめの小説
「お姉さまみたいな地味な人を愛する殿方なんてこの世にいなくってよ!」それが妹の口癖でした、が……
四季
恋愛
「お姉さまみたいな地味な人を愛する殿方なんてこの世にいなくってよ!」
それが妹の口癖でした。
ブスなお前とは口を利かないと婚約者が言うので、彼の愛する妹の秘密は教えませんでした。
coco
恋愛
ブスなお前とは口を利かないと、婚約者に宣言された私。
分かりました、あなたの言う通りにします。
なので、あなたの愛する妹の秘密は一切教えませんよ─。
彼には溺愛する幼馴染が居ますが…どうして彼女までこの家に住む事になっているのです?
coco
恋愛
彼には溺愛する美しい幼馴染が居る。
でもどうして、彼女までこの家に住む事になっているのです?
ここは本来、私たちが幸せに暮らすはずの家だったのに…。
三度裏切られたので堪忍袋の緒が切れました
蒼黒せい
恋愛
ユーニスはブチ切れていた。外で婚外子ばかり作る夫に呆れ、怒り、もうその顔も見たくないと離縁状を突き付ける。泣いてすがる夫に三行半を付け、晴れて自由の身となったユーニスは、酒場で思いっきり羽目を外した。そこに、婚約解消をして落ちこむ紫の瞳の男が。ユーニスは、その辛気臭い男に絡み、酔っぱらい、勢いのままその男と宿で一晩を明かしてしまった。
互いにそれを無かったことにして宿を出るが、ユーニスはその見知らぬ男の子どもを宿してしまう…
※なろう・カクヨムにて同名アカウントで投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる