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後編

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 ◆


 あれから数年、私は若き国王の妻となっている。

 驚かれるだろうか?
 いや、そうだろうと思う。
 それが普通だと思う。
 だって自分も当時は驚いた、こんなことになるなんて、と。

 ある夏の日、とある催し物に参加した際、彼が私に興味を持ったのだ。それからしばらく、私は彼に追い掛け回された。始めはそんなつもりはなかったのであまり関わらないようにしていたのだが、次第に彼の熱に流され、気づけばいつしか特別な二人になっていっていた。

 そして今がある。

 彼の愛はとても熱く深かった――けれども急かすようなことはせず、私の心が決まるまで彼は待ってくれて。

 そういうところに魅力を感じた。

 ちなみにフィメールはというと、処刑されてこの世を去った。

 というのも、私が国王と結婚するという話を聞きつけてから執拗に嫌がらせをしてくるようになり、しまいには殺そうとしてきたのだ。

 あるパレードにて、彼は私をその手で殺そうとした。
 そして警備に捕まり。
 国王の決定で処刑となった。

 どうでもいい私のことなんて放っておけば良かったのに。
 そうすれば処刑なんてされなかったのに。
 なぜわざわざ余計なことをしたのかが理解できない。


◆終わり◆
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