婚約者を妹に奪われました 〜なんだかんだで私の方が幸せになっていました〜

四季

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前編

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「ごめんなさいね~、お姉様。婚約者を奪っちゃって」

 私には妹がいる。
 それも凄く可愛いと評判の妹が。

「でもわたしの方が可愛いからぁ。彼もさすがにお姉様みたいな地味子を選ばないでしょ~」

 私は地味だ。
 髪色は地味な茶色だし、趣味が植物の世話だし、華やかな世界についていける社交的な心も持っていない。

 一方で妹はま逆。
 美しい金髪だし、趣味が手芸やお菓子作りで女の子らしいし、男性とも何の躊躇いもなく話せる社交性を持っている。

 だから仕方がないのだ、妹に婚約者を奪われても。

 分かってはいる。理解してはいる。でも、それでも、辛かった。婚約者の彼はこんな私にも優しくしてくれていた、だからこそ、彼すらも妹を選んだことが切なくて。

 私はその日の晩、家を飛び出した。

「駄目だよ! 飛び降りたら!」

 崖から飛び降りようとしていた私をとめたのは、一人の青年だった。
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