婚約者を妹に奪われました 〜なんだかんだで私の方が幸せになっていました〜

四季

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後編

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「いいんです、私……もう希望なんてありませんから」

 彼は私の手首を掴んで離さない。
 このままでは飛び降りることに迷いが生まれてしまいそうだ。

「取り敢えず落ち着いてよ」
「手を離してください! ……私、もういいんです、すべて終わりにしたいんです」
「なら何があったのかを聞かせてよ」
「……婚約者を妹に奪われたんです」

 すると青年はハッとした顔をする。

「一緒! 僕も!」
「え」
「僕も婚約者を弟に奪われたんだ。今朝」

 それを聞いて、私は飛び降りることをやめた。

「うそ……本当に……?」
「うん、事実だよ」
「そんなことって……あの、よければ、話をしませんか?」
「いいよ! そうしよう!」

 その後私たちは婚約者を失った悲しみについて語り合った。傷を舐め合うみたいだけれど、今はそれでもいい。互いに辛いのだ、今は互いを慰め励ますことが最優先。

 そして私は彼と結婚した。

 後に噂で聞いた話によると。

 私の妹は私の元婚約者と婚約しやがて夫婦となったのだが、妹が小さなことも厳しい口調で責めるようになり、関係はすぐに破綻してしまったとのことだ。幸せに暮らせたのは一ヶ月くらいだけだったらしい。徐々に喧嘩が増え、二人は一年も経たぬうちに離婚。

 その後、妹は「一年も経たないうちに離婚した女」として、評価を地に落としたらしい。

「あの時出会えて良かったですね」
「うん!」
「これからものんびり暮らしましょうね」
「そうだね」


◆終わり◆
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