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2話
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そんな風に途方にくれていた時。私の前に一人の青年が現れた。銀の髪が印象的な青年。彼は、なかなか立ち上がれない私に、片手を差し出している。
しかし見覚えはない。
いつかどこかで出会ったけれど覚えていないのか、あるいは、初対面だけど親切にしてくれているのか。
「大丈夫ですか?」
歌手にでもなれそうな、深みと艶のある声だ。
「あ……は、はい。大丈夫、です」
取り敢えず答える。
が、彼はその言葉を信じてくれない。
「大丈夫ではなさそうですね」
「……実は、ちょっと、色々あって」
見ず知らずの人に自分の事情を話すなんて、普通ならしないことだろう。自分でもそう思う。初対面の人にそんなことを話すべきではない、と。
ただ、それでもこの時だけは、聞いて欲しかった。
誰かと喋りたかった。
「事情がありそうですね」
「はい……そう、なんです」
「よければ聞きますよ」
私は彼の手を取った。
まるで、彼に吸い込まれるかのように。
◆
私は城門前で出会った彼と街中の喫茶店に入った。
穴場的な店で、狭い店内には人はほぼいない。
そこで私は彼にお茶を一杯奢ってもらった。いきなり申し訳ない、と思いつつも、彼の好意に甘えることにしたのだ。所持金もほぼなかったから。
しかし見覚えはない。
いつかどこかで出会ったけれど覚えていないのか、あるいは、初対面だけど親切にしてくれているのか。
「大丈夫ですか?」
歌手にでもなれそうな、深みと艶のある声だ。
「あ……は、はい。大丈夫、です」
取り敢えず答える。
が、彼はその言葉を信じてくれない。
「大丈夫ではなさそうですね」
「……実は、ちょっと、色々あって」
見ず知らずの人に自分の事情を話すなんて、普通ならしないことだろう。自分でもそう思う。初対面の人にそんなことを話すべきではない、と。
ただ、それでもこの時だけは、聞いて欲しかった。
誰かと喋りたかった。
「事情がありそうですね」
「はい……そう、なんです」
「よければ聞きますよ」
私は彼の手を取った。
まるで、彼に吸い込まれるかのように。
◆
私は城門前で出会った彼と街中の喫茶店に入った。
穴場的な店で、狭い店内には人はほぼいない。
そこで私は彼にお茶を一杯奢ってもらった。いきなり申し訳ない、と思いつつも、彼の好意に甘えることにしたのだ。所持金もほぼなかったから。
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