上 下
2 / 3

2話

しおりを挟む
「知ってるか? 美女じゃねー女はなぁ、媚びるのが当たり前なんだよ。そうやって初めて女として扱ってもらえる。だがお前みてーな態度じゃなぁ、ただのゴミにしか見えねーよ。ゴミ! ゴミなんだよ! お前はな、ずーっといつまでもいつまでも、ゴミ中のゴミ!」

 あまり失礼がないよう振る舞ってきたつもりなのだが、それでも彼はいつもこんなことばかり言う。

 ブルトリニッツに認めてもらおうと思ったらもっと媚びなくてはならないのだろうか。だとしたら私には不可能なのかもしれない。ある程度礼儀正しくはしてきたと思うけれど、それでは駄目と言われたら、もはやどうしようもない。

 媚びを売ってまで好かれようとも思わないし……、というのもある。

「てことで、婚約、破棄するから」

 ……え?


 婚約、破棄……?


 ……。


 …………。



 うそ、本当に?


 ……。


 …………。



 やったぁ!!!!!!!!!!
しおりを挟む

処理中です...