晩餐会にて婚約破棄を告げられました、けれどもちょうどそのタイミングで救いの手を差し伸べてくれる人が現れて……!?

四季

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3話

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 ◆


 あれから二年が過ぎた。

 ニーナのお誘いに乗って彼女が暮らす国へ家族ごと引っ越した私は、ニーナに愛され護られながら今日を生きている。

「来てくれましたのね、レヴィーナ」
「はい!」
「あら、何だかとても嬉しそうな顔ですわ」
「はい。だってそうですよ。ニーナ様に会いたかったので。こうして今日もお会いできる、ただそれだけでもとても幸せです」

 私たちの愛し合いの日々は終わらない。
 どれだけ時が流れても、二人の間にある愛に変化はないのだ。

「あらあら……可愛いことを言ってくれますわね。けど、ニーナ様でなくてニーナと呼んでちょうだい? もう何度も言ったでしょう」
「恐れ多くて……」
「呼んでほしいと言っていますのに」
「でも……勇気がなくて……」

 そうそう、そういえば。

 ヴィヴィオはあれから残念な結末を迎えることとなってしまったようだ。

 怪しい女に近寄られ惚れてしまったヴィヴィオは王家の資産をその女のために大量に使ってしまったそうで、それによって王家の財政が傾いて――その問題によってヴィヴィオは両親より勘当を言いわたされたそうだ。

 つまり、彼は王子ではなくなってしまったのである。

 そうして王城から出ていかされることとなったヴィヴィオ。
 彼は行くあてもなく国内を彷徨い。
 そんな時甘い言葉をかけて近寄ってきた不審な男の家に一泊させてもらうも、寝ている間に毒針で急所を刺され殺されたらしい。

 かつて王子であったヴィヴィオ、彼の人生はそこまでだったみたいだ。

 彼はもう朝日を見ることすらできない。
 一度死んでしまった人間はもうこちらの世界へは戻ってこられないのだ。

 それが命というものであり、また、人間というものである。

「勇気? 必要ないですわ、そんなもの。あたくしは貴女をレヴィーナと呼ぶんですもの、貴女はニーナと呼ぶべきですわ」

 でももうすべてどうでもいいことだ。
 彼が悲しい最期を迎えたとしても私には何の関係もない。

「そ、そう、ですよね……よし! 頑張ります! じゃあ、じゃあ……ニーナ!」

 私はニーナの傍で生きていく。

 女性同士であっても。
 それでもここにいる方がずっと愛される。

 彼女はたくさんの幸せをくれる、だから私はいつまでもここにいたい。

「ふふ、上手上手」
「ニーナのこと、大好きです!!」
「あらあら可愛い。でもちょっと……ふふ、照れますわ」


◆終わり◆
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