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1話
しおりを挟む空色のワンピースを見にまとい、自宅の庭で毎日ティータイム。
くちなし色の髪は長く風を絵に描いたかのようで。
陶器のような肌、アーモンド型の目と髪の毛と同色の瞳、そして、長く顔立ちにさらなる華やかさを与える睫毛。
彼女の名は、エルダーフラワー。
彼女は昔からティータイムが好きだった。
家庭教師による勉学指導の合間にでもお茶を飲むことを求めるくらい。
そんな彼女はいつからか周囲から『ティータイム大好き令嬢』と呼ばれるようになっていたのだが――本人は呼び名なんかには特に興味がないようで、気にしても喜んでもいない。
そんな彼女も一定の年齢になっているので婚約者は一応いる。
モードリッグという男だ。
けれど彼女のその自由さをモードリッグはあまり良く思っていなかった。
彼女はとても気ままなので言いなりにはできない、というところも、彼を苛立たせる一つかもしれない。
そして、ある朝、ついに。
「エルダーフラワー、ちょっといいか?」
「あ、はい。何でしょうか」
「お前との婚約だが、破棄とすることにした」
「えっ……」
「まぁ泣いて謝るのなら許してやらないではないが……」
一応言ってみるモードリッグだが。
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