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魔法使い令嬢は何と言われようと婚約破棄されようと気にしない!

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「妙な術を使う魔女め! 婚約は破棄だ! 汚い女、さっさと消えろ!」

 私、今日、婚約者ファーズルから婚約破棄を告げられてしまいました。

 でもショックではありません。
 いずれこうなるだろうなと思っていたからです。

 私は生まれつき魔法を使えました。そして、そのことで色々言われてきました。その頃に言われていた酷い言葉の数々に比べれば、婚約破棄くらいたいしたことではないのです。

「分かりました。さようなら」


 ◆


 あれから十年、私はこの国を代表する大魔法使いとなりました。

 今は人々の幸福のためにこの力を使います。
 この世界に少しでも幸せが増えるように、そう考えて、この特殊な力を使うのです。

 しかし……誰でもかんでも幸せにできるというわけではありません。

 ファーズルはあの後ピザパーティー中に食べ物を喉に詰まらせてしまって治療の甲斐なくなくなってしまったそうです。

 けれどもそれは自業自得。
 私からしてみれば、悲しくも何ともないのです。


◆終わり◆
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