嘘を信じ私を切り落とした者とその国の末路は……。

前編

「レミリア・レモネード！　君との婚約を今ここで破棄する！」

　第一王子ブランジズ・ブブロ・ブロロブアは晩餐会の最中突然宣言した。

　私は生まれながらにして国を護る力を持っていた。それによって、聖女、と呼ばれ、子どもの頃から国費をかけて大切に育てられた。ただ、国が護ってくれる代わり、自由はない。当然のことだとは思うが。けれども、私としては、普通の娘として生きてみたかった。

　そんな私は十八歳になるや否や第一王子を婚約させられた。
　国王の命令だったので断れなかった。

　だが、第一王子の婚約者となることを狙っていた女たちに、私は虐められた。

「まさか君が俺の友人を虐めていたとはな。信じられない。理解不能だ。国護りの力とか何とか言っても、ただの最低な女だったのだな」

　第一王子がこう言うのも、私を虐める女たちが彼に色々吹き込んだから。
　もちろんすべて嘘だ。

「さっさと去れ！」
「なぜそんなに一方的なのですか。少しは話を聞いてください」
「去れ！」
「……分かりました、失礼します」

　その場から私が去るのを見て、数人の女がクスクスと笑っていた。