107 / 207
episode.106 ダッサ
しおりを挟む
その時。
修繕したばかりの扉が、突如開いた。
乱暴な開き方ではなかったものの、室内の空気が微かに動き、それによって私は視線を後ろへ移した。
「ハロー」
そこに立っていたのは、一人の少女。
十代前半くらいに見える、あどけなさの残る目鼻立ち。しかし、その金の双眸は少女らしからぬ鋭さをまとっている。瞳孔の目立つ、猫のような瞳だ。また、少女らしくないのは、そこだけではない。額には紋章のような入れ墨がある。そこもまた、迫力があり、少女らしくなさを高めてしまっているように感じられる。
暗めの灰色をした髪は、両側頭部の耳より高い位置で黒いリボンによって結ばれている。その二つの房は、どちらも、肩に触れるか触れないかという程度の長さ。
身長は高くない。が、極めて低いということもない。もし彼女が、見た感じの通り十代前半であるならば、年相応の身長と言えるだろう。
「来ちゃっタ」
包帯を巻いたようなデザインの衣装を着た彼女は、いたずらっ娘を意識したような声を発し、その場でくるりとターンする。
「……何者なの?」
思わず尋ねてしまった。
すると少女は、片手の大きく開いた手のひらで口を覆うようにして、挑発的に発する。
「プププ。ダッサ」
まさかいきなり「ダッサ」などと言われるとは。
この一言には、さすがに衝撃を受けてしまった。
「いきなり名前聞くとカ、ダッサ」
生まれてからこれまでに出会った中で、最も生意気な少女だ。いや、最も生意気な者、と表す方が良いかもしれない。
それゆえ、最初は驚きが勝っていたが、時が経つにつれ、今度は苛立ちが込み上げてきた。
——刹那。
私の苛立ちを露わにするかのように、リゴールが勢いよく立ち上がる。
「貴女、無礼にもほどがありますよ」
リゴールは凛とした声色で言い放つ。
「初対面の相手です。最低限の礼儀というものがあるでしょう」
落ち着きのある表情、迷いのない声。
それらはまさに『王子』という位に恥じない、偉大さを感じさせるものであった。
だが、少女はそれすらも、笑いの対象に変えてしまう。
「プププ! くっだらなイ!」
徐々に、室内の空気が冷えていく。
物理的な寒さではなく、感覚的な冷え。
「おこちゃまのくせに偉そうにシテ、勘違いにもほどがあるってネ! ダッサ!」
「貴女ッ……!」
挑発に乗せられたリゴールが、本を開く——が、次の瞬間、本は背後へ飛んでいってしまっていた。
「なっ……」
しかも、少女は一瞬にして、彼の目の前まで接近。
私の方が彼女に近かったのだから、私の目の前も通過したはず。それなのに、まったくもって見えなかった。
「一人かっこつけるとか、ダッサ」
唇に挑発的な笑みを浮かべる少女。その手には、小型の黒い銃。十代前半の少女が持っても大きすぎるようには見えないくらい小型化された銃だ。彼女はそれを、両手で持っている。いや、厳密には、右手で握りそこに左手を添えていると表現した方が相応しいかもしれない。
「バイバーイ」
少女はニヤリと口角を持ち上げ、呟くように言う。
そして、小型の銃の引き金を引いた。
パァン——と破裂音。
鼓膜を貫きそうな大きな破裂音が、室内の静かな空気を揺らす。私は半ば反射的に目を閉じてしまった。
——少しして、瞼を開ける。
リゴールは無事だった。
彼の体の前には、黄金の膜。
そして、その一部分から、黒に限りなく近い灰色の煙が、一筋立ち昇っていた。
彼自身には怪我はなさそうなことから察するに、恐らく、リゴールは咄嗟に魔法の膜を張ったのだろう。そして、至近距離からの銃撃を防いだ。
だとすれば、幸運だ。
二メートルも離れていない場所からの銃撃にもかかわらず、負傷せずに済んだのだから。
「膜で防ぐとカ、セッコ」
少女は愚痴をこぼしている。
今なら!
そう思い、ペンダントを握り直した——瞬間。
「させなーイ!」
添えていた左手を私の方へかざしてきた。
直後、その爪から、灰色の包帯のようなものが飛び出す。
包帯のようなそれは、信じられない速さで向かってくる。そして、ほんの数秒のうちに、驚くべき勢いで私の体に巻き付く。
腕も足もお構いなく。
たった一本のそれに、ぐるぐる巻きにされてしまった。
「くっ……離して!」
今度こそ力になれる、戦えると、そう自信を持っていたのに。これではすべてが台無しだ。ペンダントを剣に変えられたって、剣の扱いを学んだって、拘束されてしまっていてはどうしようもない。これでは、始まる前に終わっている。
「邪魔しないデ、そこでじっとしてテ」
「武器持って入ってきた人を放置なんて! できないわ!」
「そこで大人しくしてタラ、こっそり見逃しテあげてモいいヨ」
身をよじり抵抗を試みる。しかし、どうしようもない。腕と足が動かせない状態で体を動かしたところで、包帯の拘束から逃れることはできなかった。
その時、ふと、思い出す。
ウェスタが力を貸してくれると言っていたことに。
もし彼女がここへ来てくれたなら、魔法か何かで、この拘束を解いてくれるかもしれない。そうすれば、私は動けるようになり、戦いに参加できる。
……でも。
ウェスタにこの危機を知らせる方法はない。
どうすればこの状況を彼女に伝えられるのか。
そんな風に悩んでいた時、私はふと、彼女の言葉を思い出した。
『ブラックスターの力を感じたら、駆けつける』
彼女は確かに、そう言っていた。
——ならば方法はある。
「見逃してなんていらないわ! だから早く解放してちょうだい!」
「何それ? 命乞いとかダッサ」
「ダサいのは貴女の方でしょ!」
「ン?」
少女に術を使わせればいい。
そうすれば、離れたところにいるウェスタも気づいてくれるはず。
とはいえ、実際にウェスタがここへ来てくれるのかどうかは不明だ。所詮口約束。向こうが守ってくれるとは限らない。来てくれない可能性も、ゼロではないわけで。
そんな不確かなものに頼ろうとするなんて。
私はどこまでも弱い人間だ。自分でもそう思う。
「攻撃してきたわけでもない人を虐めるなんて、最低よ! ダッサの極みだわ!」
「うるさいッテ、黙ってッテ」
「いいえ、黙らない! 解放してくれるまで、言い続けるわ。貴女はダサいってね!」
修繕したばかりの扉が、突如開いた。
乱暴な開き方ではなかったものの、室内の空気が微かに動き、それによって私は視線を後ろへ移した。
「ハロー」
そこに立っていたのは、一人の少女。
十代前半くらいに見える、あどけなさの残る目鼻立ち。しかし、その金の双眸は少女らしからぬ鋭さをまとっている。瞳孔の目立つ、猫のような瞳だ。また、少女らしくないのは、そこだけではない。額には紋章のような入れ墨がある。そこもまた、迫力があり、少女らしくなさを高めてしまっているように感じられる。
暗めの灰色をした髪は、両側頭部の耳より高い位置で黒いリボンによって結ばれている。その二つの房は、どちらも、肩に触れるか触れないかという程度の長さ。
身長は高くない。が、極めて低いということもない。もし彼女が、見た感じの通り十代前半であるならば、年相応の身長と言えるだろう。
「来ちゃっタ」
包帯を巻いたようなデザインの衣装を着た彼女は、いたずらっ娘を意識したような声を発し、その場でくるりとターンする。
「……何者なの?」
思わず尋ねてしまった。
すると少女は、片手の大きく開いた手のひらで口を覆うようにして、挑発的に発する。
「プププ。ダッサ」
まさかいきなり「ダッサ」などと言われるとは。
この一言には、さすがに衝撃を受けてしまった。
「いきなり名前聞くとカ、ダッサ」
生まれてからこれまでに出会った中で、最も生意気な少女だ。いや、最も生意気な者、と表す方が良いかもしれない。
それゆえ、最初は驚きが勝っていたが、時が経つにつれ、今度は苛立ちが込み上げてきた。
——刹那。
私の苛立ちを露わにするかのように、リゴールが勢いよく立ち上がる。
「貴女、無礼にもほどがありますよ」
リゴールは凛とした声色で言い放つ。
「初対面の相手です。最低限の礼儀というものがあるでしょう」
落ち着きのある表情、迷いのない声。
それらはまさに『王子』という位に恥じない、偉大さを感じさせるものであった。
だが、少女はそれすらも、笑いの対象に変えてしまう。
「プププ! くっだらなイ!」
徐々に、室内の空気が冷えていく。
物理的な寒さではなく、感覚的な冷え。
「おこちゃまのくせに偉そうにシテ、勘違いにもほどがあるってネ! ダッサ!」
「貴女ッ……!」
挑発に乗せられたリゴールが、本を開く——が、次の瞬間、本は背後へ飛んでいってしまっていた。
「なっ……」
しかも、少女は一瞬にして、彼の目の前まで接近。
私の方が彼女に近かったのだから、私の目の前も通過したはず。それなのに、まったくもって見えなかった。
「一人かっこつけるとか、ダッサ」
唇に挑発的な笑みを浮かべる少女。その手には、小型の黒い銃。十代前半の少女が持っても大きすぎるようには見えないくらい小型化された銃だ。彼女はそれを、両手で持っている。いや、厳密には、右手で握りそこに左手を添えていると表現した方が相応しいかもしれない。
「バイバーイ」
少女はニヤリと口角を持ち上げ、呟くように言う。
そして、小型の銃の引き金を引いた。
パァン——と破裂音。
鼓膜を貫きそうな大きな破裂音が、室内の静かな空気を揺らす。私は半ば反射的に目を閉じてしまった。
——少しして、瞼を開ける。
リゴールは無事だった。
彼の体の前には、黄金の膜。
そして、その一部分から、黒に限りなく近い灰色の煙が、一筋立ち昇っていた。
彼自身には怪我はなさそうなことから察するに、恐らく、リゴールは咄嗟に魔法の膜を張ったのだろう。そして、至近距離からの銃撃を防いだ。
だとすれば、幸運だ。
二メートルも離れていない場所からの銃撃にもかかわらず、負傷せずに済んだのだから。
「膜で防ぐとカ、セッコ」
少女は愚痴をこぼしている。
今なら!
そう思い、ペンダントを握り直した——瞬間。
「させなーイ!」
添えていた左手を私の方へかざしてきた。
直後、その爪から、灰色の包帯のようなものが飛び出す。
包帯のようなそれは、信じられない速さで向かってくる。そして、ほんの数秒のうちに、驚くべき勢いで私の体に巻き付く。
腕も足もお構いなく。
たった一本のそれに、ぐるぐる巻きにされてしまった。
「くっ……離して!」
今度こそ力になれる、戦えると、そう自信を持っていたのに。これではすべてが台無しだ。ペンダントを剣に変えられたって、剣の扱いを学んだって、拘束されてしまっていてはどうしようもない。これでは、始まる前に終わっている。
「邪魔しないデ、そこでじっとしてテ」
「武器持って入ってきた人を放置なんて! できないわ!」
「そこで大人しくしてタラ、こっそり見逃しテあげてモいいヨ」
身をよじり抵抗を試みる。しかし、どうしようもない。腕と足が動かせない状態で体を動かしたところで、包帯の拘束から逃れることはできなかった。
その時、ふと、思い出す。
ウェスタが力を貸してくれると言っていたことに。
もし彼女がここへ来てくれたなら、魔法か何かで、この拘束を解いてくれるかもしれない。そうすれば、私は動けるようになり、戦いに参加できる。
……でも。
ウェスタにこの危機を知らせる方法はない。
どうすればこの状況を彼女に伝えられるのか。
そんな風に悩んでいた時、私はふと、彼女の言葉を思い出した。
『ブラックスターの力を感じたら、駆けつける』
彼女は確かに、そう言っていた。
——ならば方法はある。
「見逃してなんていらないわ! だから早く解放してちょうだい!」
「何それ? 命乞いとかダッサ」
「ダサいのは貴女の方でしょ!」
「ン?」
少女に術を使わせればいい。
そうすれば、離れたところにいるウェスタも気づいてくれるはず。
とはいえ、実際にウェスタがここへ来てくれるのかどうかは不明だ。所詮口約束。向こうが守ってくれるとは限らない。来てくれない可能性も、ゼロではないわけで。
そんな不確かなものに頼ろうとするなんて。
私はどこまでも弱い人間だ。自分でもそう思う。
「攻撃してきたわけでもない人を虐めるなんて、最低よ! ダッサの極みだわ!」
「うるさいッテ、黙ってッテ」
「いいえ、黙らない! 解放してくれるまで、言い続けるわ。貴女はダサいってね!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@アンジェリカ書籍化決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる