153 / 207
episode.151 ふくよかな
しおりを挟む
ふくよかな男性は、一見、とても温厚そうだ。しかし、素手で口元を押さえてくる辺りから考えると、温厚な善人というわけではないのかもしれない。
「は……離してっ……」
口元を手で押さえられるという異常事態。そこから何とか逃れようと、私は、勇気を振り絞り言ってみた。
だが、それは無意味で。
「黙っていて下さいー」
ただそう言われただけで終わるという、悲しい結末を迎えることとなってしまった。
「一つ尋ねて良いですかぁー」
「な、何をっ……」
「リゴール王子という者は今ここにいますぅー?」
その問いに、唾を飲み込む。
リゴールはこの屋敷にいる。だが、それをここで明かして大丈夫なのだろうか。
……いや、恐らく明かすべきではないだろう。
もしここで私が「リゴールはいる」と言ったなら、男性は、リゴールのところを目指すのだろう。そして、リゴールに何かしらの危害を加えるに違いない。
「……さぁね」
そんなことはさせられない。
リゴールを狙いそうな者には、最大の警戒を。
「それは、いるということですかぁー?」
「どう思う……?」
「個人的には、いると思いますよぉー。いないのなら、いないとはっきり言えるはずですからねぇー」
いる、と明言はしないでおいたが、男性は勝手に、「リゴールはいる」と確信していた。
単なる勝手な確信なのかもしれないが、もしかしたら、私の言動からそれを読み取れたのかもしれない。
いずれにせよ、こんなことを続けるわけにはいかない。
なんとかここを抜け出し、手を打たなくては。
「それもそうね……けど、考えさせるために敢えてそう見せているということも、あるのではないかしら……?」
とにかく時間を稼ぐ。
話題は何でも良い。男性の気を逸らせそうなことなら、内容は問わない。
そして、考えなくては。
どうやって切り抜けるかを。
——その時。
私の背中の方、つまり屋敷の中側から、光が飛んできた。
眩い光は、目にも留まらぬ速さで宙を駆け、私の口を塞いでいるふくよかな男性の肩に命中する。
「んんっ!?」
男性はやや情けない声を発しながら、私の口から手を離す。その隙に動く。取り敢えず距離を取ろうと、私は後方へ数歩移動。ようやく、男性から逃れることができた。
「エアリに近づかないで下さい!」
ふくよかな男性から離れるや否や、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。
——それは、リゴールの声。
私は驚き、すぐさま振り向く。するとそこには、リゴールが本を片手に立っていた。それも、かなり険しい表情で。
「話は聞きました。貴方が会いたいのは、わたくしなのですね」
よりによって、このタイミングでリゴールが。
「リゴール王子ですかぁー?」
「そうです」
リゴールは迷いなく正体を明かし、私の方へ真っ直ぐに歩いてくる。
そして、私の少し前で、その足を止めた。
「用があるのなら、わたくしに言って下さい」
背はあまり高くなく、体つきは華奢。一歩誤れば少女と思われそうなほどに、繊細な腕や脚をしているリゴール。
けれども、凛としている彼には風格がある。
「そうですねぇー。ではではぁー……」
男性は片手で、頭に乗っかったピンクの帽子を整える。
——そして。
「早速殺らせていただきますぅー!」
男性は、大きな声で発し、指をパチンと鳴らす。
その瞬間。
ふくよかな彼の前方すぐ近くに、謎の生物が二体現れた。
人に似た二足歩行ながら、腰からは蜥蜴の尾のようなものが豪快に垂れ下がっている。また、肌の色は全体的に赤紫寄りの色みで、人間とは似ていない。キキキ、と鳴くその声が、必要以上に恐怖を掻き立ててくる。
「な、何あれ……」
不気味な敵の登場に、動揺を隠せない。
そんな私に気づいてか、リゴールは首から上だけで振り返り、声をかけてくる。
「下がっていて構いませんよ、エアリ」
そう言って微笑みかけてくれるリゴールを目にしたら、激しく揺れていた心が徐々に落ち着いてきた。
「リゴール王子を仕留めるのですぅー!」
ふくよかな男性は妙に甲高い声を発した。
途端に動き出す、二体の謎の生物。
「来るわよ!」
「大丈夫です!」
本を持った右手を肩から後ろへ引き、左手を前へ伸ばす。
湧き上がる、黄金の光。
向かってくる生物らに向かって、輝きは飛んでゆく。
光の魔法の直撃を受けた蜥蜴のような生物たちは、しばらく狼狽え、しかしすぐに動き出す。
「行くのですぅー!」
ふくよかな男性は叫ぶ。
リゴールは勇ましく返す。
「そう易々と負けはしません!」
今のリゴールは戦士だった。
いや、もちろん、リゴールは今日もリゴールなわけで。線の細い少年であることに変わりはないのだけれど。
ただ、それでも今は、リゴールが勇ましく思える。
鋭い目つき。声の張り。
それらによる勇ましさなのだろう、恐らくは。
「行くのですぅー!」
リゴールを指差す、ふくよかな男性。
二体は同時に動き出す。
目標はリゴール。
不気味な生物が迫るが、リゴールは怯まない。
「……参ります!」
迫る敵は魔法で吹き飛ばし蹴散らす。
ある意味、凄く痛快な光景と言えるだろう。
小柄な少年が大きな体をした敵を撥ね除け続けているのだから、表現が相応しくないかもしれないが……華やか、と言っても過言ではないくらいだ。
「ふぅ。片付きました」
蜥蜴のような尾を持つ二体を、リゴールはあっという間に沈めた。
「ぬぁ、ぬぁーあにぃーッ!?」
「さぁ。退いて下さい」
「退くわけにはいきますぇーん!」
男性は、股を大きく開き、腰の位置を下げる。さらに、二本の足の膝にそれぞれ手を添える。その体勢で、男性は五秒ほどじっと停止。何をしているのだろう、と思っていると、急に両手を頭の上へ掲げ、一回拍手。パァン、と乾いた音を鳴らす。
——刹那。
男性を取り囲むようにして、またもや謎の生物が現れる。
だが、今度の生物は先ほどの生物とはまた違った種類だ。
背筋はすらりと伸びていて両腕が桜色の翼のようになっている、そんな不思議な生物が六体ほど。
「ふぁふぁふぁふぁ! ふぇふぇふぇふぇ! 行くのですぅー!」
肥満気味の男性は、謎の生物たちに指示を出す。
すると、生物たちは、一斉にこちらへ向かってきた。
「は……離してっ……」
口元を手で押さえられるという異常事態。そこから何とか逃れようと、私は、勇気を振り絞り言ってみた。
だが、それは無意味で。
「黙っていて下さいー」
ただそう言われただけで終わるという、悲しい結末を迎えることとなってしまった。
「一つ尋ねて良いですかぁー」
「な、何をっ……」
「リゴール王子という者は今ここにいますぅー?」
その問いに、唾を飲み込む。
リゴールはこの屋敷にいる。だが、それをここで明かして大丈夫なのだろうか。
……いや、恐らく明かすべきではないだろう。
もしここで私が「リゴールはいる」と言ったなら、男性は、リゴールのところを目指すのだろう。そして、リゴールに何かしらの危害を加えるに違いない。
「……さぁね」
そんなことはさせられない。
リゴールを狙いそうな者には、最大の警戒を。
「それは、いるということですかぁー?」
「どう思う……?」
「個人的には、いると思いますよぉー。いないのなら、いないとはっきり言えるはずですからねぇー」
いる、と明言はしないでおいたが、男性は勝手に、「リゴールはいる」と確信していた。
単なる勝手な確信なのかもしれないが、もしかしたら、私の言動からそれを読み取れたのかもしれない。
いずれにせよ、こんなことを続けるわけにはいかない。
なんとかここを抜け出し、手を打たなくては。
「それもそうね……けど、考えさせるために敢えてそう見せているということも、あるのではないかしら……?」
とにかく時間を稼ぐ。
話題は何でも良い。男性の気を逸らせそうなことなら、内容は問わない。
そして、考えなくては。
どうやって切り抜けるかを。
——その時。
私の背中の方、つまり屋敷の中側から、光が飛んできた。
眩い光は、目にも留まらぬ速さで宙を駆け、私の口を塞いでいるふくよかな男性の肩に命中する。
「んんっ!?」
男性はやや情けない声を発しながら、私の口から手を離す。その隙に動く。取り敢えず距離を取ろうと、私は後方へ数歩移動。ようやく、男性から逃れることができた。
「エアリに近づかないで下さい!」
ふくよかな男性から離れるや否や、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。
——それは、リゴールの声。
私は驚き、すぐさま振り向く。するとそこには、リゴールが本を片手に立っていた。それも、かなり険しい表情で。
「話は聞きました。貴方が会いたいのは、わたくしなのですね」
よりによって、このタイミングでリゴールが。
「リゴール王子ですかぁー?」
「そうです」
リゴールは迷いなく正体を明かし、私の方へ真っ直ぐに歩いてくる。
そして、私の少し前で、その足を止めた。
「用があるのなら、わたくしに言って下さい」
背はあまり高くなく、体つきは華奢。一歩誤れば少女と思われそうなほどに、繊細な腕や脚をしているリゴール。
けれども、凛としている彼には風格がある。
「そうですねぇー。ではではぁー……」
男性は片手で、頭に乗っかったピンクの帽子を整える。
——そして。
「早速殺らせていただきますぅー!」
男性は、大きな声で発し、指をパチンと鳴らす。
その瞬間。
ふくよかな彼の前方すぐ近くに、謎の生物が二体現れた。
人に似た二足歩行ながら、腰からは蜥蜴の尾のようなものが豪快に垂れ下がっている。また、肌の色は全体的に赤紫寄りの色みで、人間とは似ていない。キキキ、と鳴くその声が、必要以上に恐怖を掻き立ててくる。
「な、何あれ……」
不気味な敵の登場に、動揺を隠せない。
そんな私に気づいてか、リゴールは首から上だけで振り返り、声をかけてくる。
「下がっていて構いませんよ、エアリ」
そう言って微笑みかけてくれるリゴールを目にしたら、激しく揺れていた心が徐々に落ち着いてきた。
「リゴール王子を仕留めるのですぅー!」
ふくよかな男性は妙に甲高い声を発した。
途端に動き出す、二体の謎の生物。
「来るわよ!」
「大丈夫です!」
本を持った右手を肩から後ろへ引き、左手を前へ伸ばす。
湧き上がる、黄金の光。
向かってくる生物らに向かって、輝きは飛んでゆく。
光の魔法の直撃を受けた蜥蜴のような生物たちは、しばらく狼狽え、しかしすぐに動き出す。
「行くのですぅー!」
ふくよかな男性は叫ぶ。
リゴールは勇ましく返す。
「そう易々と負けはしません!」
今のリゴールは戦士だった。
いや、もちろん、リゴールは今日もリゴールなわけで。線の細い少年であることに変わりはないのだけれど。
ただ、それでも今は、リゴールが勇ましく思える。
鋭い目つき。声の張り。
それらによる勇ましさなのだろう、恐らくは。
「行くのですぅー!」
リゴールを指差す、ふくよかな男性。
二体は同時に動き出す。
目標はリゴール。
不気味な生物が迫るが、リゴールは怯まない。
「……参ります!」
迫る敵は魔法で吹き飛ばし蹴散らす。
ある意味、凄く痛快な光景と言えるだろう。
小柄な少年が大きな体をした敵を撥ね除け続けているのだから、表現が相応しくないかもしれないが……華やか、と言っても過言ではないくらいだ。
「ふぅ。片付きました」
蜥蜴のような尾を持つ二体を、リゴールはあっという間に沈めた。
「ぬぁ、ぬぁーあにぃーッ!?」
「さぁ。退いて下さい」
「退くわけにはいきますぇーん!」
男性は、股を大きく開き、腰の位置を下げる。さらに、二本の足の膝にそれぞれ手を添える。その体勢で、男性は五秒ほどじっと停止。何をしているのだろう、と思っていると、急に両手を頭の上へ掲げ、一回拍手。パァン、と乾いた音を鳴らす。
——刹那。
男性を取り囲むようにして、またもや謎の生物が現れる。
だが、今度の生物は先ほどの生物とはまた違った種類だ。
背筋はすらりと伸びていて両腕が桜色の翼のようになっている、そんな不思議な生物が六体ほど。
「ふぁふぁふぁふぁ! ふぇふぇふぇふぇ! 行くのですぅー!」
肥満気味の男性は、謎の生物たちに指示を出す。
すると、生物たちは、一斉にこちらへ向かってきた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@アンジェリカ書籍化決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる