毒殺されかけましたが運良く助かりました。~すべてのはじまりは彼が無責任に二人の女に手を出したことだったのです~

四季

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後編

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 ウィッグからの差し入れを食べた。
 それ自体は美味しくて。
 けれどもその後急激に体調が悪くなって。

 ……私は殺されかけたのか?

 でもウィッグが? どうして? これまで何も言われていなかったのに、喧嘩だってしたことなかったのに。それなのに彼が急にこんなことをするだろうか? 私を殺すことで得られる得なんて彼にはないはずなのだが。

 だがその後、ウィッグの浮気相手の女性による犯行であったことが判明した。

 プリンを作ったのはウィッグだったそうだが、そこに毒を盛ったのはウィッグではなくニーナというその女性だったのだそうだ。

 ニーナは殺人未遂で拘束された。
 そして取り調べという名の拷問を数週間にわたって受けたそうだ。

 私の父がそういう分野への権力を持っていたこともあり、ニーナへの暴力はより凄まじいものとなったのである。

 ある時は数時間にわたって殴る蹴るされ。
 ある時は髪を剃られたうえ頭皮におかしな模様をペンキで描かれ。
 またある時は尊厳を奪うような行為を強要され。

 それによってニーナは壊れ、何も喋ることのできないような状態となってしまったそうだ。

 そして、その後間もなく、処刑された。

 私とウィッグの婚約も破棄となった。
 両親が「浮気していたような男に娘はやれない」と言い、婚約破棄を決めたのだ。

 慰謝料はがっつり取って、私たちは別れた。


 ◆


 あの後私は良縁に恵まれた。
 とても親切かつ私のことを大事にしてくれる経済的にも豊かな青年と巡り会い、手を取り合って、将来を誓い合う関係へと発展した。

 そして、結ばれる。

 私たちには明るい未来がある。
 だから前を向いて生きてゆける。

 ちなみにウィッグはというと、悪い噂が立ってしまったために女性からまともに相手にされなくなり結婚したくてもできない状態になってしまって絶望して屋敷の窓から飛び降りたらしく……命は助かったものの、植物状態に近い状態になってしまったそうだ。


◆終わり◆
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