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前編
しおりを挟む昨日、婚約者ルーゼインから、婚約の破棄を告げられた。
仕方がないのでそれを受け入れまた自由な日々に戻ることにした――それもまた運命だとそう思ったから。
そして今、私は、スイートポテト作りに励んでいる。
というのもお菓子作り名人だった母の影響で小さい頃からお菓子を作ることが好きだったのだ。
しばらくは色々忙しくて、お菓子に手をかける時間なんてなかった。顔合わせとか、お出掛けとか、婚約の手続きとか、予定が多くて。自分のやりたいことをやれる時間は大幅に削られていたのだ。
けれどもこうして時間を得た時、私はお菓子作りに戻ってきた。
なんだかんだでやはりそれが好きだったのだ。
――そして、三年。
私は自力でこの国初となるスイートポテト専門店を立ち上げた。
そこには楽しいことがたくさんあった。
もちろん苦労もあったけれど。
でも嬉しいことは少なくなくて、毎日とても活き活きしていられた気がする。
恋も結婚も良いけれど、やはり、人は己の好きなことをしている時に輝くのだと思う。
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