異世界恋愛短編集 ~婚約破棄されても幸せになることはできます~

四季

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ある朝、目を覚ましたら……。〜身勝手な彼には天罰が下ったようですね〜

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 ある朝、目を覚ましたらベッドの脇に婚約者である青年ロデデがいて、信じられない出来事に言葉を失っていたら婚約破棄を宣言された。

「君はさ、寝顔が可愛くないよね。だから関係は終わりにするよ。はいおしまい、ってやつ。オケ? じゃ、そういうことで、さようなら~」

 ロデデは身勝手に言いたいことだけ言って去っていってしまった。

 一人、静寂に残される。

 何だこれは……?
 何が起こった……?

 意味を理解する間もなく、時だけが過ぎ去っていった。


 ◆


 あの婚約破棄事件から一週間。
 噂でロデデが亡くなったことを知った。

 彼はあの日、婚約破棄を告げられたことが嬉しかったために凄まじい勢いで街を駆け抜けたそうなのだが、周りをきちんと見ていなかったために馬車とぶつかってしまったそう。で、即死はしなかったものの負傷してしまい。それから数日が経った朝、彼は、帰らぬ人となってしまったそうだ。死因は明確にはなっていないようだが、恐らく事故の際の負傷が関係しているのではないか、という話になっているようである。

 ……ああ、きっと、天罰が下ったのだろう。

 他者を傷つけることをして、周りに迷惑をかけることをして、それでも自分だけは幸せになるなんてそんな奇跡は起こらなかったようだ。

 だが、まぁ、そうなって良かったのかもしれない。

 なぜならこちらがすっとした気分で未来へ進めるから。

 心ない者には天罰が下った。
 それはある意味、世界が、運命が、彼の行動が悪であったと証明したようなもの。

 そう考えれば、こちらとしては心救われる部分がある。


◆終わり◆
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