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突然婚約破棄を告げられた夜は悲しくて絶望の海に堕ちそうでしたが……。~奇跡に出会い希望に救われ~
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婚約者から突然婚約破棄を告げられたあの夜。
私はただ悲しみの海に溺れた。
消えてしまいたい、そんな言葉しか繰り返せないほどに、その時の私は心折れきっていた。
夜空を見上げればそんな時でも星は煌めいている。けれどもそれを美しいと感じることすら叶わず。美しいものを美しいと感じる、そんな当たり前のことすら取り戻せなくて。胸の内に立ち込めた闇は感情を奪ってゆく。それゆえ、その時の私は、夜空の星を見つめても何も感じないような状態であった。
美しいものはいつだって美しいはずなのに。
婚約破棄されたとしても世界はいつもと変わらず回っているのだから何もかもを失ったわけではないというのに。
それなのに、その時の私は、まるで世界滅亡を目にしたかのように心砕け散っていた。
――だがそんな時に運命の人に巡り会う。
おかげで今はもう心折れていた頃の私ではない。
今の私は健康的な私だ。
美しいものを美しいと思える私。
それを取り戻せた、だからこそ、今は純粋な笑顔で生きることができている。
もう恐れるものは何もない。
雨がやめば空は晴れる。
それと同じように。
この人生もまさにここから光射す領域へと踏み込んでゆくのだ。
◆終わり◆
私はただ悲しみの海に溺れた。
消えてしまいたい、そんな言葉しか繰り返せないほどに、その時の私は心折れきっていた。
夜空を見上げればそんな時でも星は煌めいている。けれどもそれを美しいと感じることすら叶わず。美しいものを美しいと感じる、そんな当たり前のことすら取り戻せなくて。胸の内に立ち込めた闇は感情を奪ってゆく。それゆえ、その時の私は、夜空の星を見つめても何も感じないような状態であった。
美しいものはいつだって美しいはずなのに。
婚約破棄されたとしても世界はいつもと変わらず回っているのだから何もかもを失ったわけではないというのに。
それなのに、その時の私は、まるで世界滅亡を目にしたかのように心砕け散っていた。
――だがそんな時に運命の人に巡り会う。
おかげで今はもう心折れていた頃の私ではない。
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それを取り戻せた、だからこそ、今は純粋な笑顔で生きることができている。
もう恐れるものは何もない。
雨がやめば空は晴れる。
それと同じように。
この人生もまさにここから光射す領域へと踏み込んでゆくのだ。
◆終わり◆
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