異世界恋愛短編集 ~婚約破棄されても幸せになることはできます~

四季

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ちょっぴりひとやすみ? 詩のコーナー

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『暑くなってきたねって』

暑くなってきたねって
語り合ったあの夏
楽しいことや嬉しいことが
たくさんあって
毎日がきらきら輝いて見えた

突然降り出した
泣き出したいくらいの大雨
土砂降りに見舞われたときでも
駅にまで来てくれたあなたが
傘を差し出してくれたから

辛いことなんて
消えてしまった
悲しいことなんて
消え去った

暑くなってきたねって
笑い合えたあの頃
楽しいことや嬉しいことが
たくさんあったから
朝から晩まで幸せに包まれていた

振り返れば
懐かしい思い出が
たくさんあって
嬉しいことや楽しいことは
たくさんあったけど
あっという間に過去になっていった

時は流れ
多くのものが変わった
時は過ぎて
多くのものが変わった

いつかはきっと
今も昔になって
こうして息をしていたことも
思い出になるのかな

それでもまた
誰かと巡り合って
言えたらいいな
暑くなってきたねって

ねぇ?

暑くなってきたねって



『ずっと愛していました』

愛していました
あなたのこと
愛し続けるつもりでいました
あなただけを

お願い
どうか
傍にいてください

そんなことを願っていたあの頃

明るい未来を信じたくて
それ以外のものからは目を逸らしていた
希望だけを信じたくて
それ以外のものは見ようとしないでいた

だからかな
わたしたちはすれ違い
気づけば
離ればなれになってしまった

そのことに気づいたときには
もう手遅れだったから
そのことに気づいたときには
もう何もできなくなってしまっていた

愛していました
あなたのこと
愛し続けるつもりでいました
あなただけを

お願い
どうか
傍にいてください

そんなことを願っていた頃もあった

明るい未来だけを信じていれば
苦痛など生まれはしないから
希望だけを信じようとしていた
それ以外のものには目もくれず駆け抜けた

いつかは来る
淡いさよならに
対峙すれば
きっとすべてが壊れてしまう

だから
向き合うことはできなかった

それは多分
わたしが弱かったから

愛していました
あなたのこと

それだけは確かなこと

愛していました
あなたのこと

事実は変わらない

ずっと愛していました

……あなたのこと
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