私が婚約破棄されたことで世界が平和になったようです。ある意味良かったです。

四季

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前編

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 ここのところ、不幸なことが続いている。
 世界に黒い感情が渦巻いているのだ。
 憎しみや恨みは数多積み重なり、争いが生まれ、世界に平和などという文字はなく。

 世界中を覆い尽くすほどではないが何かと物騒な時代。

 そんな春のある日。
 私は婚約者ポッタスムルスの家を訪ねていた。

「あのさぁ~」
「なに?」
「婚約、破棄することにしたんだよね」

 私は言葉を失う。

「え……」

 後頭部を殴られたような衝撃が駆け抜ける。
 思考が停止してしまう。
 相応しい言葉を見つけることができない。

「そういうことだからぁ~」
「本気?」
「嘘とか言わないよぉ~、さ、す、が、に」

 とても信じられなかったが……どうやら冗談ではなさそうだ。

「てことで、君との婚約は破棄な!」

 ポッタスムルスが関係の終わりを告げる。
 瞬間、私の左胸から白い光が放たれた。

「え……? こ、これ……何これ……」
「何だぁ~?」
「よく分からないわ……」

 なにがなんだか。

「ま、とにかく、私はこれで去るわね。……さようなら、ポッタスムルス」
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