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前編
しおりを挟む私の妹ドゥエラは自分を過剰に可愛いと思い込んでいる。
かえるのような顔の形をしていて、口が過剰に大きく、目玉もぎょろりとしている――いやまさにかえるそのもの、かえるの精のようなのだが――彼女は自分が絶世の美女だと頑なに思い込んでいるのだ。
……いや、もちろん、かえるのような顔が悪いというわけではない。
それは生まれつきのものだ。
そう生まれてしまったらその顔で生きてゆくしかない。
ならば前向きでいられる方が良い。
暗く、己を嫌い、生きてゆくよりかは。
ただ! 彼女の場合、自信が過剰にありすぎる! ……そして姉である私をやたらと見下げてくるのだ。鬱陶しい絡みをやたらと繰り返してくることもある。そこは嫌いだ! そして不愉快の極み!
「ねーねー、ぶすあね? 聞いてぇ!」
「……何かしら」
「婚約者がねぇ、決まったのよ!」
「え、そうなの」
「あのフィグレ様よ! 乙女たちの憧れの、よ!」
そういえば、フィグレという名は聞いたことがある。
あれは誰から聞いたのだったか――確か、同年代同性の友人からだったような気がする。
「凄いでしょぉ?」
「ええ、凄いわ」
「でもぉ、ま、当たり前よねぇ! だってあたし美人さんなんだもの! ねっ? ぶすあねは可哀想ねぇ、素晴らしい殿方に愛されなくって」
いちいち煽ってくるドゥエラ。
でも乗ってゆく気はない。
そんなことをしても気力の無駄だと分かっているから。
「そうね。幸せになってね」
煽られても相手はしない。
それは私の誓い。
ずっと前から、強く固くそう決めている。
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