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後編
しおりを挟むだが父の怒りはまだ収まり切らず、彼はさらにラーゼンへ罰を与えることを考えていて――やがて知人の協力も得てラーゼンの職を奪った。
というのも、ラーゼンの職場のお偉いさんに知り合いがいたのだ。
それによって父は少し落ち着いたようだった。
突如失職することとなったラーゼンは、周りに「婚約者の悪口をあることないこと言っていて婚約破棄されたうえ失職したらしい」という話を知られたこともあって他人と会うことを恥ずかしく思うようになり、以降彼は自室に引きこもるようになったそうだ。
――それから三年ほどが経ち。
私は大会社を営む家の子息である、少々おっとりしていてもっちりした容姿の青年と結婚した。
一方でラーゼンはというと、いつからか「皆が自分を悪く言い攻撃してきている」という妄想に憑りつかれるようになったそうで、ある時町中で急に包丁を手に暴れそれによって牢屋送りとなったそうだ。
しかし、牢屋に入れられてからも妄想は収まらず、結局彼はずっと問題行動を繰り返していた――否、今もまだ、繰り返しているようだ。
◆終わり◆
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