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婚約破棄を告げてきた婚約者の母親がヤバい人でした。
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「ごめん、リリア。婚約破棄させてくれ」
ある日突然婚約者アンタルから告げられた。
「え……どうして……?」
「実は、君に関する良くない噂を母から聞いてしまってね」
彼の母親は私をよく思っていないようだった。それは私たちが婚約を決めた時からずっと。それゆえ、彼女が何か言ったとしても不自然な話ではない。
「何でも、僕の下着を盗んでいるとか」
「え!? 何それ!?」
「隠さなくていいよ。事実と分かっているから。実際、下着がよくなくなるんだ」
「私じゃないわ!」
男の下着を盗む趣味なんて、私にはない。
「あと、友達に僕の文句を言っているってことも、母からしっかり聞いたよ」
「そんなこと言っていないわ」
「本当に言っていないのなら、証拠を出してよ」
「じゃあ友達に確かめてみて。きっと知らないと言うはずよ」
「……ま、まぁそれはいいよ」
アンタルはこの件に関しては下がった。
「それより! 料理に悪い薬を入れた件も」
「もういいわ」
「……え」
「婚約破棄したいのでしょう? 好きにして。貴方のお母様と上手くやっていく自信はないわ」
そうして婚約破棄した数ヶ月後、アンタルには新たな婚約者ができたらしい。だが、その婚約者もまた、アンタルの母親から嫌がらせやら何やらを受けたそうだ。
だが、その婚約者は、私とは違っていた。
彼女は「こんな言われ方ばかりするのはおかしい」と訴え、調査を開始したそうだ。
その結果、アンタルの母親が色々仕組んでいたことが判明する。
婚約者がアンタルの下着を盗んでいく、という話は、婚約者が盗んだのではなくアンタルの母親が盗んでいたのだったらしい。婚約者の料理が変な味、という話は、母親が婚約者に「アンタルが呼んでいた」と言いその隙に変なものを入れたということだったらしい。
などなど。
すべてアンタルの母親が悪かった。
きっと私の時もそうだったのだろう。
そう思うと気が楽になった。
その後、婚約者に「名誉を汚された」と訴えられたアンタルの母親は、数年牢に入れられることとなったらしい。また、卑怯な行いに加担したということで、アンタル自身も償いのためのお金を支払わされることとなったそうだ。
◆終わり◆
ある日突然婚約者アンタルから告げられた。
「え……どうして……?」
「実は、君に関する良くない噂を母から聞いてしまってね」
彼の母親は私をよく思っていないようだった。それは私たちが婚約を決めた時からずっと。それゆえ、彼女が何か言ったとしても不自然な話ではない。
「何でも、僕の下着を盗んでいるとか」
「え!? 何それ!?」
「隠さなくていいよ。事実と分かっているから。実際、下着がよくなくなるんだ」
「私じゃないわ!」
男の下着を盗む趣味なんて、私にはない。
「あと、友達に僕の文句を言っているってことも、母からしっかり聞いたよ」
「そんなこと言っていないわ」
「本当に言っていないのなら、証拠を出してよ」
「じゃあ友達に確かめてみて。きっと知らないと言うはずよ」
「……ま、まぁそれはいいよ」
アンタルはこの件に関しては下がった。
「それより! 料理に悪い薬を入れた件も」
「もういいわ」
「……え」
「婚約破棄したいのでしょう? 好きにして。貴方のお母様と上手くやっていく自信はないわ」
そうして婚約破棄した数ヶ月後、アンタルには新たな婚約者ができたらしい。だが、その婚約者もまた、アンタルの母親から嫌がらせやら何やらを受けたそうだ。
だが、その婚約者は、私とは違っていた。
彼女は「こんな言われ方ばかりするのはおかしい」と訴え、調査を開始したそうだ。
その結果、アンタルの母親が色々仕組んでいたことが判明する。
婚約者がアンタルの下着を盗んでいく、という話は、婚約者が盗んだのではなくアンタルの母親が盗んでいたのだったらしい。婚約者の料理が変な味、という話は、母親が婚約者に「アンタルが呼んでいた」と言いその隙に変なものを入れたということだったらしい。
などなど。
すべてアンタルの母親が悪かった。
きっと私の時もそうだったのだろう。
そう思うと気が楽になった。
その後、婚約者に「名誉を汚された」と訴えられたアンタルの母親は、数年牢に入れられることとなったらしい。また、卑怯な行いに加担したということで、アンタル自身も償いのためのお金を支払わされることとなったそうだ。
◆終わり◆
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